「いじめ」教育現場から考える

 第23回の教育総研夏季研究集会が9月14日~15日、熱海市で開催され、統括事務局の古河・梶川の2名が参加しました。本集会は教育総研を持つ単組と教研担当者など120名が全国から集まり、今日的教育課題について意見交流を行いました。冒頭に嶺井正也・所長(専修大学)から、活動報告があり、日程のシンポジウムに先立ち、名古谷隆彦さん(共同通信社)から、「大津中二いじめ自殺の取材経験に基づく問題提起」がありました。名古谷さんは「いじめ防止対策推進法」がこの9月28日に施行となるが、一連の報道が法制化に繋がったもので、学校ではネガティブな受け止めだろうが、保護者にとっては一歩前進との思いがあるだろう。今後は国が基本方針を定め、自治体・学校でも策定される。取材から学校の課題が見えてきた、1つは「同僚性の欠如」、教員の多忙化が相互の連携不足となっていたこと。2つはスクールカウンセラーが職員室配置となっており、子どもが安心して相談できる体制になかった」ことなどが克服される課題として挙げられました。
 シンポジウムのテーマは「学校から社会の課題へ~いじめをめぐり教育現場から考える~」、コーディネーターは桜井智恵子(大阪大谷大学)さん。川西市のオンブズパーソン6年の経験から、法に基づき、学校に設置される第三者委員会をどう機能させていくのか、子どもが主体的にかかわる視点が大切にされるかが課題と指摘されました。シンポジストとして参加した、フリースクール・東京シューレ所属の学生は自らの不登校体験を語り、フリースクールで「子どもの権利条約」を学び、「不登校の子どもの権利宣言」を作り上げたとの報告を行いました。「いじめ法」で「いじめ」がなくなることはない、結局、いじめ当事者の子ども達の話をしっかり聞けるかどうかが大切、と桜井さんは明確にまとめられました。

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 2日目は分科会、古河は「一貫教育の検証と課題」に参加しました。自民党の教育再生実行本部は5月に第二次提言を行い、幼児教育の無償化と6.3.3制の見直しとして、学年区分・学校種間接続の弾力化を打ち出しました。東京都も高校を含め4.4.4制に17年度にも移行するとの方針を出しています。しかし、その根拠は曖昧、すでに全国的には義務制を「4.3.2」、「5.4」、「5.2.2」など実に多様、「中1ギャップ」などの接続期の「なめらかな移行」が謳われているが、現実は大都会では公立校の復権を目指したものであり、地方の小規模校では学校存続・地域の活性化策となっている。その効果の検証が曖昧との指摘がなされていました。(統括事務局長・古河)

 この3月まで中学三年生を担当していたこともあり、「キャリア教育」の分科会に参加しました。この分科会ではさらに4つのグループに分かれ、現在の大学生の意識調査のデーターをもとに小グループによる意見交換が活発になされ、私のグループには、岩手・富山・滋賀からの参加がありました。テーマは”家計を支えるのは男女どちらか?””フリーターについてどう考えるか?”、アンケートの結果で校種によってそれぞれ意識がハッキリ分かれるという興味深いものでした。また、県や支部がかかえる問題や課題についても意見交流がなされとても有意義なものでした。(平和教育部会事務局次長・梶川修)

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