活動報告

    8月30日、2回平和教育研究部会が開催されました。まずは6月実施の公開研究講座の総括を行い、研究協議に入りました。 今回は事務局員で能美支部・北川茂さんの実践報告「地域の歴史を掘り起こす参加体験型平和教育のとり組み」です。北川さんは自らの教職歴をたどりながら、現在の平和教育のとり組みに至ったのかを紹介されました。
    初任は加賀支部、そこで先輩に誘われたのがきっかけ、地下壕の軍事工場跡地や軍事病院跡地に潜ったり、予科練飛行場跡地をたどり、地域の歴史を子どもたちと学びたいと強く思ったとのことでした。能美支部に異動し、初めて6年生を担任、戦後50周年にもあたり、地域の忠魂碑や軍神とされる軍人の墓、浜小に送られてきた「青い目の人形」の歴史などを子供たちと楽しみながら掘り起こすことができ、「参加体験型の平和教育」の大切さに目覚めたとのことでした。
   その後、異動した学校で二宮金次郎のなぞ(金属供出で、久谷焼でできたものがある)、理科室で、「クサイ島復員記念」と書かれた椰子の実を発見、その歴史を追いかけたこと。また、近年では福島原発事故で避難してきた子がクラスにいたことで,原発の学習にもとり組んだなど、多岐にわたる実践が紹介されました。
    質疑の中で、今日的な学校現場の状況で、このような平和学習が続けられる原動力を聞かれ、北川さんはまず自分が実践して楽しい、それを職場や支部の若い組合員にも伝えることで、広がりを実感しているとのことでした。平和教育の大切さは理解しても、どのようにとり組めばいいか分からないとの声を聞きます。北川さんの実践はそうした声に十分応えるものだと言えます。

    8月28日、2回環境教育研究部会が開催されました。まずは8月17日のフィールドワークと公開講座の総括について、参加者は小松市在住の方も多く、感想には「いかに自分が地域の環境を知らなかったかを思い知らされた」「ハザードマップをきちんと理解しなければと思った」「自分の生活する場や勤務校の自然環境や防災対策について分かっている必要があると思った」「自分の所は大丈夫という気持ちがあったことに気づかされた」などの意見が多く出されていました。その中で、「学校が避難所として開設されたとき、時間外でもその学校の職員が退勤できず手伝わされた」「退勤中の職員が大雨洪水警報下に出勤させられたと聞くが、法的に問題がないのか」などの疑問も出されています。
    研究協議では小松市から「避難所運営マニュアル」を取り寄せ、避難所として指定されている教職員がどのような対応を求められるのか協議しました。避難所開設時には「運営委員会」が設置され、その設置責任者に学校長がつくとされ、行政職員が運営に当たることになっています。では当該学校教職員はどうするのか、必ずしも明確にはなっていません。災害時の子どもの引き渡し等は想定されても避難所運営への関わりについては、事前の準備が必要だし、各研究員からは教職員が関わるとしたら、その法的な根拠も組合としては質すべきとの意見も出されました。

 

詳細はこちら

 

     8月17日、環境教育部会主催のフィールドワーク(FW)と公開研究講座が小松市を会場に開催されました。この夏は連日の猛暑日が続いていましたが、この日は一転して涼しさを感ずる日となり、午前中のFWは青木賢人部会長の案内で28名が参加しました。まずは小松の市街地形成に深く関わる梯川の河川改修事業の現場である小松天満宮へ。現地には国交省からも説明に来ていただきました。梯川は勾配が少なく、この付近は河川幅が狭くなっており、たびたび洪水の被害に見舞われてきたところです。昨年完成した事業は河川に隣接するこの国指定文化財を移転させることなく、輪中の形で分水路を作ったことに特徴があります。文化財の保全か事業優先かの選択をしたことになります。青木部会長曰く、高度成長期ならこの選択はしなかっただろうとのことです。     
    小松市街地は旧小松城を中心に形成されています。かつて梯川はこの付近から90度進路を変えており、その2辺を活用、海に浮かぶ島のように水路を整備した「水城」となっていました。FWでは広大だった敷地とかつての堀跡が今は住宅地となっている一帯を歩き、殿町、古城町、丸内町、浮城町、芦田町など町名や葭島神社、芦城公園の名からも当時の環境が想像できるようでした。

詳細はこちら

    6月23日、平和教育部会が主催する公開研究講座をかほく市高松「浄専寺」で開催しました。会場には河北支部中心とした組合員に教育総研関係者、地元市民を加え、40名が参加しました。講師には同寺の前住職で「鶴彬を顕彰する会」の幹事も務めている平野道雄さんお願いし、当地出身の川柳作家・鶴彬(本名・喜多一二、1909~1938)の生涯とその願いについて講演いただきました。
 鶴彬は29年の短い生涯で1000余りの反戦川柳を残し、治安維持法で2回検挙され、最後は東京の野万署に収監のまま獄死しています。平野さんは境内に句碑「胎内の動きを知るころ骨(こつ)がつき」を建立したのは、戦時下において教団(大谷派)が過ちを犯した歴史があり、自由と平等を説いた親鸞の教えとは違っていた反省からと紹介されました。鶴彬は17歳で大阪の町工場で働くが、その時に労働者・民衆が非人間的な扱いをうける現実に遭遇し、国策に翻弄された民衆の悲しみを川柳として「吐く」ようになったとのことです。
 平野さんは今の時代、戦争を知らない大人が多くなり、政治ベクトルが右に動いている。戦争体験が忘れられそうな時代だからこそ、歴史を振り返ることが大切になっている。とかくお任せ民主主義といわれる中で、改めて平和の敵は戦争だけでなく、無関心も平和の敵だと指摘されました。顕彰会ではかほく市内の小学校で埋葬地岩手盛岡の研究者を招いた特別授業を続けていることも紹介されました。

  

詳細はこちら

6月7日、第1回平和教育研究部会が開催されました。当部会も新メンバーを4名迎えており、前年度の活動総括や改訂版「平和教育」関する提言の概略が説明され、共通理解を頂きました。また、部会が主催する公開研究講座について、今年度は没後80年を迎える「鶴彬(つる・あきら):かほく市高松生まれ」の足跡を訪ねることとし、以下のように確認しました。フィールドワーク(F.W.)は人数に限りがありますが、講演会は公開としており、市民の皆さんにも広く参加を呼びかけています。

 〇 開催日時  6月23日(土)
    F.W.      11:00~12:00 浄専寺周辺史蹟(11:50集合)        
    講演会    13:30~15:00 浄専寺:お御堂

 〇 会場   F.W、講演会とも 
                     かほく市高松下伊丹ツ66 ℡281-0546 集合

 〇 講演 「鶴彬の願いに学ぶ」
                           :平野道雄さん
(浄専寺前住職)

 

 平和教育部会では、今年度の研究課題に新たに「憲法改悪の動きを把握」との項目を盛り込みました。自民党が3月にまとめた改憲案の「自衛隊の明記」を中心に、石川多加子さん(金沢大学・元教育総研部会長)を講師にこの日の後段を学習会としました。
 石川さんは、「憲法前文に平和的生存権が謳われ、憲法のあらゆる人権の基本となっている。9条の2として自衛隊が明記されると後法が優先され、現行9条が死文化する。自民党案では現行18条・奴隷的拘束の禁止(徴兵制否定)も自衛隊が合憲の組織となれば、徴兵制に道を開けるようになっている。改憲の柱に緊急事態条項があり、実質的にナチスの「全権委任法」と同じものだ。世論調査を見ても、このまま国民投票に付されると押し切られる危険性もある」と指摘されました。本部会では引き続き憲法学習を続ける予定です。

    5月31日、第1回の環境教育研究部会が開催されました。
   今年度は3名の新研究員を迎えたことから、2015年度から3年にわたり、部会で議論を積み上げた「提言」を再確認しました。環境教育・学習というと、とかく「地球温暖化問題」「生物多様性の減少」「オゾンホール問題」など、「グローバルスケールの問題」に意識が行きがちです。部会では身近に視点を据えた環境学習を提唱してきました。2016年度は熊本地震、鳥取県西部地震が発生、能登半島地震から10年という年にあたりました。いわゆる「防災教育」が「脅し」にならず、自然災害が多発する日本列島にあり、その被害も「いなす」ように受け止める環境学習が必要と提言しました。2017年度は身近な環境理解が防災教育に繋がるとして、様々な情報紹介を行ってきました。
    今年4月26日、宮城県石巻市立大川小学校の津波被災をめぐり、仙台高裁は「事前の防災対策」の過失を認め、学校側に地域住民の知識や経験を超える高度な防災対策を求めました。判決によれば、学校が「地域の防災センター」としての機能を持つことが求められる一方、教職員が高度な知識と経験を持つことが必要となります。学校の多忙化が大きな社会問題となっている中で、「対応できない」との声も上がっています。
    石川県も自然災害とは無縁ではありません。学校防災、子どもたちの防災教育の現状を部会では引き続き協議・研究していくことが確認されました。なお、8月に開催予定の公開研究講座は会場を小松市とし、地域環境と災害を考える公開講座とフィールドワークを行います。

   

    5月28日、事務局・研究員10名の参加で、県議会会議室を会場に、2018年度の県教育予算説明会を開催、県教委各課の参加で、新規事業を中心に説明を受けました。今年度は主要施策として、初めて教職員の長時間勤務が取り上げられ、「教職員が心身の健康を保ちながら教材研究・授業準備や子どもたちと向き合う時間を十分確保するため、教職員の多忙化改善に向けた取り組みを進める」とした課題が挙げられています。

    参加者からは、まずこの長時間労働改善にかかわる施策に質疑が集中しました。 ① 具体的には、モデル校を設置(小中高各3校)して業務改善の実践・検証する、部活動指導員配置48人・授業には携わらないスクールサポート30人をモデル配置する、としています。参加者からは、今年度は4月当初から講師不足で欠員からスタートした所もあると聞く。これは教育現場の状況にしり込みしているのではないか。またスタッフが配置されていない所の状況は変わっていない、県教委は3年後に超勤改善目標を設定しているが、達成できるとは思えない。現場では管理職が帰宅を促すようになっているものの、業務が減っていない中では持ち帰り仕事が増えるだけだ。との実態が明らかにされました。 ② 県教委は、実態として部活動指導が大きな要因となり中学校が長時間勤務となっている。また教頭や主幹などの中間管理職、若い世代への負担増などが特徴的との実態を明らかにしました。県教委として昨年度研修の15%削減を行い、さらに今年度初任研は3日、2年研は1.5日削減した。学校訪問の回数削減、研究推進校はほとんどなくした。現場には会議や学校行事の見直し、研究発表の紀要の簡略化や採点業務の時間確保なども求めているとしました。 ③ 今年も教育現場からは業務改善の実感があまり感じられないとの声が教育総研にも届いています。参加者からは学校現場に業務軽減の施策が伝わっていない、学校任せではなく、県教委が直接指導すべきではないか、学校閉庁日の対応も「勤務を要しない日」にならないのか、との意見も出されました。まだまだ建前と実態とのかい離、県教委の「本気度」に疑義がだされました。

詳細はこちら

     

   2018年度の研究部会がはじまりました。5月21日は1回教育政策部会、委嘱研究員のほとんどに参加いただきました。協議事項としてまず今年度の部会研究課題を確認し、その1項目目に取り上げた、中学校道徳教科書採択に向けた情報交流と質疑を行いました。県教委によれば、来月・6月15日から2週間の予定で、県内各地で展示会が開催されます。今回は8社が検定合格となり、分冊も含め30冊が展示されることになります。
 現時点では具体的な掲載内容は把握できませんが、少しずつ各社の特徴が報道されてきています。昨年度には「教育出版」の教科書教材に問題点が多く指摘され、子どもたちに手渡すべきではないとする議論がありましたが、結果的に加賀市が採択に踏み切りました。
 今回の展示会を前に報道されたのは、首相の政策ブレーンが設立した道徳専門の教科書会社・「日本教科書」です。この教科書、出典教材が文科省の「私たちの道徳」から最も多く採用するなど、全般的に日本会議系の教材を使っているとのこと。指導要領の規定に「国を愛する態度」があるが、この教科書、日本礼賛・日本の良さを過度に強調していると指摘されています。教科化されたことにより、担任には評価が求められています。その手立てと考えるのか、8社中5社が巻末などに、生徒が「自己評価」する欄を設けているとのことです。さて、生徒は「愛国心」など、どう自己評価するのか、そして担任はどう評価するのか。現場教員からの戸惑いの声が聞こえてきます。
 部会では、今回の展示会に向けて、膨大な教材を見るときの「視点」を部会長・半沢英一さんに寄稿していただき、研究部会で質疑を行いました。HPにも添付します。

            1805  (PDF)  中学校道徳教科書展示会での視点

    2002年に発足した「いしかわ教育総合研究所」(略称・教育総研)は、今年度で17年目を迎えました。石川県教組のシンクタンクとして、組合員に向けた情報提供を中心として活動を始めましたが、近年は県内の様々な市民団体の皆さんとの繋がりも多くなり、支援も頂くようになりました。教育現場では過剰な勤務実態がようやく注目されるようになり、社会的な関心も高くなっています。現政権が「教育再生」の名の下に進めている政策が、子どもたちに何を求めているのか、教育総研は今年も、「教育政策」「平和教育」「環境教育」の3つの部会を通して、課題の研究・分析、そして公開の学習会も開催しながら、市民の皆さんにもその問題点を明らかにしていくこととしています。
 4月13日、第1回の事務局会を開催し、田村光彰所長を始め、各部内の事務局長・事務局次長が参加し、年間の活動計画を確認しました。このホームページを引き続き活用し、活動紹介を行いますので、本年度もご支援やご意見を寄せていただくようお願いします。

 

 

 県内各地教委への教育予算等調査の分析結果について、第4回研究部会で協議を行い、3月中に協力をいただいた11市8町の教育委員会に発送しました。

   「子どもの貧困」問題にかかわり、本県でも一貫して就学援助率が上昇傾向にある中、ここ数年は下げ止まり傾向になっています。2017年度は県内受給者の半数を占める金沢市が数値を下げていることがその原因と考えられます。ただ、10%を超える自治体が小学校で6市町、中学校で11市町と中学校で大きな数値となっています。
 自治体独自の奨学金制度については、国の貸与型奨学金の返済が社会問題化している中、県内では15自治体が制度を持ち、その内9自治体が「給付型」を実施しています。未設置は4自治体と変わらず、制度設立と「給付型」への移行を求めねばなりません。

 教育総研が発足以来とり組んでいる学校図書館図書費は自治体の努力が見られるものの、国の基準財政需要額を達成する自治体は前年と同様に7市町となっており、やや固定化状況を示しています。ここでも中学校への配当がさらに求められます。
 図書館司書配置状況については、一昨年未配置の1町が配置を決めたことで、すべての市町に配置が実現しました。しかし、専任配置数については今年度やや減少となりました。これは小松市が5名を2校兼務にしたことが大きく影響しています。県内では5市町がすべて専任化しており、中能登町が新たに専任で全校配置を実現しました。一方、依然非正規職員が多数(89.6%)を占めており、7市町が雇用の際に資格を条件としていません。このことが雇用条件に影響していないか検証が必要です。教育総研では今後とも「専任」「フルタイム勤務」「正規雇用」を自治体に働きかけ続けて行きます。
 なお、詳細データについては研究部会「教育政策」サイトに掲載します。

katudoimg

contac01

itiran-bot

kyozailink

アーカイブ

Count per Day

  • 48016総訪問者数:
  • 14今日の訪問者数:
  • 33昨日の訪問者数: