活動報告

  

   1月26日、教育総研事務局も会員として参加する、金沢市の市民団体「こども☆未来☆教科書@かなざわ」(略称:こみきょー)の総会が開催されました。 冒頭の学習会では、同じく加賀市の市民団体「子どもと教育を考える加賀市民の会」(略称:加賀市民の会)共同代表である木村勝保さんから、「育鵬社中学校教科書をどう読むか」とする講演がありました。

   木村さんは加賀市が2015年の中学校社会科教科書に始まり、昨年度の小学校道徳教科書、今年度の中学校道徳教科書採択に至るまで、日本会議の望む通りの採択、私たちにとっては4連敗だと自戒を込めて話を始めました。加賀市民の会はこれまで精力的に学習会を行い、資料を作成し、教育委員会にも申し入れ行動も続けていますが、結果的に発言力のある教育委員に議論が支配されてきた。そしてその歴史認識も従来採択されてきた教科書と比較しても大きく違うと指摘されました。具体的に、アジアでの植民地政策、日本国憲法の成立過程など日本会議の主張に沿ったものだし、「わが国」という語句が200回以上使われたり、先の戦争での死者数を過小表記するなど、その主張は「公民」教科書でも同様だとし、作成された資料の紹介もなされました。
   総会では会計報告や2019年度の活動計画、役員選任等を承認し、全国的なつながりも強めながら、教育委員会への傍聴行動など、粘り強い運動を展開するとの意思統一がなされました。

12月7日、第4回の平和教育研究部会が開催されました。一連の報告事項の中で、県教組の担当から、今年度の「8.6、8.9を中心とした平和教育」の状況報告がなされました。その結果、全校集会で平和のとり組みを行っている学校は調査の8割、その内50%が8.6に実施、8.9と合わせれば、60%を越えています。学校の多忙化が問題視されている中でも、平和教育の意義が若い教職員にも少しずつ受け継がれているとのことでした。

今回の研究部会では学習会を設定しました。研究員の角三外弘さんに講師をお願いし、「地域と戦争『第二能登丸のそうなん』を中心に」とする報告を頂きました。角三さんは現職の時から平和教育にとり組み、中でも1945年8月28日に、七尾湾で機雷が爆発し、第二能登丸に載っていた28人が死亡するという事件を綿密に調査してきました。当時、教材化や映画製作にとり組まれてきたことは、広く知られています。近年、30年ぶりに当時の子どもたちがとり組んだ紙芝居が市の平和事業に活用されたり、地元港湾組合の現地調査にも参加されたとのことです。
 今年度、遭難事故の生存者への新たな聞き取りや当時敷設された機雷の実相が専門家の協力を得て判明するなど、角三さんの活動が相次いで報道されています。角三さんはこれまで集めた資料をまとめて、次世代に残していきたいと意欲を語られました。

   

第3回の各研究部会が11月下旬~12月初旬にかけて開催されています。
環境教育研究部会は11月20日に開催されました。今回のテーマは研究課題にもある「フクシマを考える学習会」。まずは日教組の交流会に参加した、事務局・谷内県教組書記長からの報告。福島県教組からは、教員側から放射線の危険性等を子どもたちに伝えようととり組むも、行政につぶされたり、原発関連会社で働く保護者への配慮に悩んでいるとの実態を聞く。「現実は現地に行かないと分からない」このことは改めて痛感したとのことでした。引き続き、平和教育部会から参加の大森和子さん、8月に平和サークル「むぎわらぼうし」の福島視察に参加しました。現地で福島原発告訴団の武藤類子さんや佐藤真弥さん、飯舘村で原発避難を余儀なくされた、長谷川花子さん、健一さん夫妻との交流や、放射線に対する新たな安心安全のプロバガンダセンターとも言われる「環境創造センター」の視察等が報告されました。移動中に見られる大量のフレコンバックやバスで通過した大熊町、双葉町、富岡町の放射線量の高さ、浪江町では新設された小中学校(10人の子どもに17人の職員)の視察、予算をかけた施設が誕生しても人が戻らない実態報告がなされました。

教育政策部会は11月27日に開催。報告事項で事務局が参加した「親と子のリレーションシップ2018inとやま」で報告された、不登校児童生徒に対応する教育機会確保法(教確法と略)についての確認。協議事項として9月に公表された中学校道徳教科書採択、日本教科書が全国3地区中2地区が石川県で採択、なぜ石川県が「狙い撃ち」されているのか、参加研究員の意見交流を行いました。また、既報した11月30日に公表する「全国学力調査廃止に向けた声明案」を検討しました。

  

 11月30日(金)、教育政策部会で協議した「全国学力学習状況調査の廃止声明」(以下:全国学テ)を教育長に提出し、引き続き記者会見で説明を行いました。例年この時期に声明公表を行うのは、県教委が12月初旬(2018年は12月4日)に「評価問題」なる全県一斉の「事前テスト」が実施される前としてきたものです。
 今回の声明は、県教組が実施した組合員アンケートから、①「子どもに与える負担」、②「教育課程に与える影響」、③「教職人への負担」に関し、生の声を紹介しています。①については「過去問ばかりやらされ、自己肯定感が下がっている」、②については「テスト対策が授業の中心となってしまい、ほとんど教科書を開くことができなかった」、③については「授業準備、その他の業務に加え、調査対策の問題作成や解説など時間がいくらあっても足りない」など。
 こうした声が出される背景には結果の公表がなされていることで、さながら、各県対抗・自治体対抗の学力コンテストの様相を呈していることがあります。声明では「全国学テ日本一の学力とは何か」「教職員の負担を減らすには」と項を起こし、過去問や「評価問題」を繰り返して上がる「学力」や「活用力」の意味とは何かと問い、過大な教職員の負担を強いている実態も明らかにしています。最後に教育は競争原理で子どもたちを駆り立てるものでなく、この全国学テは廃止(離脱)して、未来を担う子どもたちの教育をめざすべきだ、としています。会見には2社が出席し、翌日の朝刊に掲載されました。なお、「声明」全文はPDFで以下に掲載致します。

1811 全国学テ廃止声明(PDF)

   

    11月23日、金沢市ものづくり会館を会場に、「公正な教科書採択を求める市民集会」(呼びかけ人、田村光彰・二俣和聖・川本樹)が開催されました。この集会は、2015年に県内3市で中学校社会科教科書に育鵬社が採択されたことから、再びこうした事態とならないよう、県内教育関係市民で構成する「子どもと教育を考える・いしかわ市民の会」(事務局・教育総研)が、県内市民に広く呼びかけて学習会を開催しているものです。会場には県教組組合員に一般市民、退職教員や報道関係者等、116名が参加しました。

   講演は池田賢市さん(中央大学・教育文化総合研究所所長)にお願いしました。テーマは「教科書をめぐる実践的課題と問題点」。池田さんはまず、学習指導要領の変遷に触れ、それが時々の時代(社会)の要請によるものであり、教育が社会に出ていくための準備と位置づける「教育の保守的機能」と、一方では社会変革の手立てとなる「教育の革新的機能」がある。現状では前者「保守的機能」ばかりが重視され、このことが教科書にどう反映されているか考えて見たい。学習指導要領の変遷に触れ、当初の学校現場の自主性尊重が、全国統一の内容の習得に、さらに経済発展のための人材養成、詰めこみ教育への反省から「ゆとり」教育へ、これが学力低下批判につながり、現在は再び教科や内容の増加、さらに今回の改訂では教育方法や評価まで規定するに至っていると指摘されました。
 今回の改訂の背景には2006年の「改正」教育基本法があり、家庭教育のあり方を規定したり、企業や警察等、様々な社会的組織が公教育に関与することを可能とするなど、教育の民営化や中立性の侵害などが懸念される。また、改訂の前提に「社会の急激な変化」「予測不可能」な事態への対応という、OECDの教育理念を忠実に体現している。つまり、権力行使しうる側の「言いたい放題」になり、学校現場に「足し算」ばかりが要求され、多忙化に一層の拍車がかかる。また、社会の要請は「感性」とされ、これが内心の自由を侵害することにつながり、道徳の教科化がこの具体化だとされました。

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   10月20日(土)、富山県総合福祉会館(サンシップとやま)を会場に、「親と子のリレーションシップ2018inとやま」(通称:リレほく)が開催され、教育総研から事務局の古河が参加しました。この集会は、2011年から北陸三県の子どもに関わる団体が、連携し交流するために発足したもので、昨年は石川県の順番となり、白山市を会場に開催しています。
    冒頭に挨拶に立った、代表の精神科医・明橋大二さんは、私たちが子ども支援の共通の土台にしているのは「子どもの権利条約」だ。ここには「子どもは〇〇する権利を有する」すなわち、子どもは権利の主体であるということ。とかく世間では、子どもに対する不信が吹き荒れており、大人は子どもをコントロールしようとする。その逆襲が、不登校、非行、心身症ではないのか。この集まりは、子どもの力を本気で信じることができるか、それを見つけるために開催されている。と問題提起されました。 全体会では、富山で活動している団体の報告、富山のこどもたちだけで作った「子どもが作るこどもの権利条例~これは「子ども」のための条例であることを忘れない~」の発表、午後からは4つの分科会が持たれました。
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    10月10日、教育総研が毎年実施している、県内市町の教育委員会視察、今回はかほく市を訪問しました。教育総研からは田村光彰所長をはじめ12名に地元の塚本佐和子議員が参加、かほく市は事務局と山越充教育長、説明はすべて山越教育長が担当されました。

 かほく市は2004年に3町が合併し、現在(2018.4,1)人口が35,182人、小学校6校、中学校3校、児童生徒数は2,823人とのことです。まず重点教育施策として紹介されたのは、外国語教育対応策、小学校全学年で35人学級の実施、特別支援教育支援員の配置、全学校に学校コーディネーター配置など、単独予算による人員配置の事業でした。さらに、教職員の多忙化改善策として、時間外勤務時間を「対前年度10%の削減」「3年後に80時間超を0にする」とされました。
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   小松市・加賀市の教育委員会が中学校道徳教科書として、「日本教科書」を採択したと発表したことに対し、いしかわ教育総合研究所(以下:教育総研)は9月21日、抗議文を田村光彰所長、半沢英一部会長、古河尚訓事務局長が、小松には「教育を考える会・小松」の皆さんとともに浅村起嘉市議、加賀には林俊昭市議も同席し、両市に提出しました。 
   この教科書会社は、安倍首相のブレーンである八木秀次氏やヘイトスピーチ本出版で知られる晋遊舎の会長も代表取締役を務めてきた、極めて政治色の強い出版社です。教育総研では全国的なネットワークの中で、同教科書が差別性や歴史を歪曲した教材を掲載しているとの情報を得る中で、教科書展示会に当たっては、その旨意見反映をするよう呼びかけを行ってきました。9月に入り、全国580余の採択区数の内、僅か3地区(他の1つは栃木県・大田原市:9/20現在)しか採択(全中学生数の0.2%)されないという、極めて異例の事態となっています。
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    8月30日、2回平和教育研究部会が開催されました。まずは6月実施の公開研究講座の総括を行い、研究協議に入りました。 今回は事務局員で能美支部・北川茂さんの実践報告「地域の歴史を掘り起こす参加体験型平和教育のとり組み」です。北川さんは自らの教職歴をたどりながら、現在の平和教育のとり組みに至ったのかを紹介されました。
    初任は加賀支部、そこで先輩に誘われたのがきっかけ、地下壕の軍事工場跡地や軍事病院跡地に潜ったり、予科練飛行場跡地をたどり、地域の歴史を子どもたちと学びたいと強く思ったとのことでした。能美支部に異動し、初めて6年生を担任、戦後50周年にもあたり、地域の忠魂碑や軍神とされる軍人の墓、浜小に送られてきた「青い目の人形」の歴史などを子供たちと楽しみながら掘り起こすことができ、「参加体験型の平和教育」の大切さに目覚めたとのことでした。
   その後、異動した学校で二宮金次郎のなぞ(金属供出で、久谷焼でできたものがある)、理科室で、「クサイ島復員記念」と書かれた椰子の実を発見、その歴史を追いかけたこと。また、近年では福島原発事故で避難してきた子がクラスにいたことで,原発の学習にもとり組んだなど、多岐にわたる実践が紹介されました。
    質疑の中で、今日的な学校現場の状況で、このような平和学習が続けられる原動力を聞かれ、北川さんはまず自分が実践して楽しい、それを職場や支部の若い組合員にも伝えることで、広がりを実感しているとのことでした。平和教育の大切さは理解しても、どのようにとり組めばいいか分からないとの声を聞きます。北川さんの実践はそうした声に十分応えるものだと言えます。

    8月28日、2回環境教育研究部会が開催されました。まずは8月17日のフィールドワークと公開講座の総括について、参加者は小松市在住の方も多く、感想には「いかに自分が地域の環境を知らなかったかを思い知らされた」「ハザードマップをきちんと理解しなければと思った」「自分の生活する場や勤務校の自然環境や防災対策について分かっている必要があると思った」「自分の所は大丈夫という気持ちがあったことに気づかされた」などの意見が多く出されていました。その中で、「学校が避難所として開設されたとき、時間外でもその学校の職員が退勤できず手伝わされた」「退勤中の職員が大雨洪水警報下に出勤させられたと聞くが、法的に問題がないのか」などの疑問も出されています。
    研究協議では小松市から「避難所運営マニュアル」を取り寄せ、避難所として指定されている教職員がどのような対応を求められるのか協議しました。避難所開設時には「運営委員会」が設置され、その設置責任者に学校長がつくとされ、行政職員が運営に当たることになっています。では当該学校教職員はどうするのか、必ずしも明確にはなっていません。災害時の子どもの引き渡し等は想定されても避難所運営への関わりについては、事前の準備が必要だし、各研究員からは教職員が関わるとしたら、その法的な根拠も組合としては質すべきとの意見も出されました。

 

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