活動報告

    4月11日に、2019年度のスタートを切る事務局会を開催しました。今年度は退任された田村光彰さんに代わり、教育政策部会と平和教育部会の部会長をお願いしている、半沢英一さん(元金沢大学准教授)と小南浩一さん(兵庫教育大教授)に部会長兼務のまま、共同代表をお願いしました。また、新たに事務局員として、浅村起嘉さん(前小松市議)にも入っていただきました。 
    教育総研は今年も政権が進める「教育再生」の企図を明らかにし、情報収集や批判分析を中心に研究活動を行うことを確認しました。また、引き続き平和や環境の課題についても、広く県民・市民に向けてホームページを活用した発信活動を行っていきます。本年度もよろしくお願いします。

 田村光彰さんには、いしかわ教育総研所長として、2006年から13年間、大変お世話になりましたが、3月15日の第2回事務局会をもって、退任されることとなりました。
 田村さんは1946年、仙台市生まれ、金沢大学法文学部独文修士卒、北陸大学で長く教鞭を執られました。石川県教組とも関わりが深く、県教育研究集会の共同研究者としてもお世話になってきました。専門でもあり、日独の戦争戦後反省の問題に造詣が深く、安倍政権の歴史認識については、ドイツとの比較分析から厳しい批判をされています。
 ユーモアたっぷりの人間性から、いつも教育総研の会議を和ませていただき、感謝の言葉もありません。これからのご活躍を事務局員一同、心からご祈念致します。

 

 教育政策部会が昨年11月30日に県教委へ提出し、引き続き記者会見で公開した「声明」(HPで既報)について、このほど改めて朝日新聞社より取材を受けました。
 対応した事務局・古河は、あの時期に声明を公表する意味、学力調査への子どもたちの受け止め、教職員の多忙化との関わり、県教委による評価問題への教育現場の対応、などについて説明しました。取材の中で、2016年3月、当時の馳文科大臣の談話や2017年12月に福井県議会が採択した意見書の意義についても触れ、石川県が「学力日本一」と持て囃される背景には理不尽とも言えるテスト対策がなされていることを明らかにしました。文科省が述べるように、この学力テスト結果は「学力の一部」であるのなら、過剰な競争を強いる「悉皆調査」や結果公表はまず止めるべきだと主張してきました。
 今回の報道は教育総研が主張してきた内容を真摯に受け止めていただいたと評価しています。

 1903 朝日記事(PDF)

   

   3月20日は、4回環境教育研究部会でした。この部会でも年間総括を協議し、後半は研究員でもある小坂聡さん(全農林中央執行委員)から、活動報告を頂きました。テーマは「食とみどり、水を守る活動」、この活動は全国集会として1968年に始まり、2018年で50回を数えています。主なとりくみはアジア・アフリカ支援米の活動、2000年以降、支援先はカンボジアとマリに絞られ、2017年度からマリ共和国へ集中、全国36道府県で30tになるとのことでした。輸送量の高騰などの課題はあるものの、全農林として歴史ある活動として維持する一方、組織としては食料・農政や環境問題の学習に活動を広げているとのことでした。環境部会はこの間、身近な所に目を向けた実践を訴えてきており、来年度も継続課題としていく予定です。
 3月28日は、4回平和教育研究部会です。総括には今年度、部会研究員が県内各地区の学習会に出かけており、実践の継承に努めてきたことが盛り込まれました。今回、年度最後の部会となり、小南浩一・部会長(兵庫教育大)から今日的な話題提供を受けました。テーマは「明治150年 日本の近代を再考する~日清・日露戦争を中心に~」です。安倍政権の明治維新賛美の背景やとかく指摘される歴史・憲法認識についても詳細な解説がなされ、育鵬社社会科教科書にも反映されてきた背景も指摘されました。平和教育部会では、来年度も各地区の学習会の要請に応えるべく、発信できる体制を取っていく予定です。

 

 3月27日、第4回教育政策研究部会が開催されました。今回は研究の柱でもある、「子ども施策」に関わり、金沢で活動されている、「子ども夢フォーラム」(以下:夢フォーラム)代表・高木眞理子さんをお招きしました。夢フォーラムは主要な活動として、子ども専用電話「チャイルドライン」を実施しています。このとり組みはイギリスから世界に広がり、日本では1998年「世田谷チャイルドライン」に始まり、2000年5月に前年発足したNPO「子ども夢フォーラム」を母体にしたチャイルドライン石川が発足したとのことです。当時、全国14団体では初めてフリーダイヤルで実施し、第1回では各種団体の協力で、1000を越える電話を受けたそうです。現在は全国40都道府県、70団体すべてフリーダイヤルでつながり、2017年度は1日550件の着信を数えるそうです。これは子ども専用電話、子どもだけから話を聞くことに徹し、「相談」という対応はしないとのことです。
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   1月26日、教育総研事務局も会員として参加する、金沢市の市民団体「こども☆未来☆教科書@かなざわ」(略称:こみきょー)の総会が開催されました。 冒頭の学習会では、同じく加賀市の市民団体「子どもと教育を考える加賀市民の会」(略称:加賀市民の会)共同代表である木村勝保さんから、「育鵬社中学校教科書をどう読むか」とする講演がありました。

   木村さんは加賀市が2015年の中学校社会科教科書に始まり、昨年度の小学校道徳教科書、今年度の中学校道徳教科書採択に至るまで、日本会議の望む通りの採択、私たちにとっては4連敗だと自戒を込めて話を始めました。加賀市民の会はこれまで精力的に学習会を行い、資料を作成し、教育委員会にも申し入れ行動も続けていますが、結果的に発言力のある教育委員に議論が支配されてきた。そしてその歴史認識も従来採択されてきた教科書と比較しても大きく違うと指摘されました。具体的に、アジアでの植民地政策、日本国憲法の成立過程など日本会議の主張に沿ったものだし、「わが国」という語句が200回以上使われたり、先の戦争での死者数を過小表記するなど、その主張は「公民」教科書でも同様だとし、作成された資料の紹介もなされました。
   総会では会計報告や2019年度の活動計画、役員選任等を承認し、全国的なつながりも強めながら、教育委員会への傍聴行動など、粘り強い運動を展開するとの意思統一がなされました。

12月7日、第4回の平和教育研究部会が開催されました。一連の報告事項の中で、県教組の担当から、今年度の「8.6、8.9を中心とした平和教育」の状況報告がなされました。その結果、全校集会で平和のとり組みを行っている学校は調査の8割、その内50%が8.6に実施、8.9と合わせれば、60%を越えています。学校の多忙化が問題視されている中でも、平和教育の意義が若い教職員にも少しずつ受け継がれているとのことでした。

今回の研究部会では学習会を設定しました。研究員の角三外弘さんに講師をお願いし、「地域と戦争『第二能登丸のそうなん』を中心に」とする報告を頂きました。角三さんは現職の時から平和教育にとり組み、中でも1945年8月28日に、七尾湾で機雷が爆発し、第二能登丸に載っていた28人が死亡するという事件を綿密に調査してきました。当時、教材化や映画製作にとり組まれてきたことは、広く知られています。近年、30年ぶりに当時の子どもたちがとり組んだ紙芝居が市の平和事業に活用されたり、地元港湾組合の現地調査にも参加されたとのことです。
 今年度、遭難事故の生存者への新たな聞き取りや当時敷設された機雷の実相が専門家の協力を得て判明するなど、角三さんの活動が相次いで報道されています。角三さんはこれまで集めた資料をまとめて、次世代に残していきたいと意欲を語られました。

   

第3回の各研究部会が11月下旬~12月初旬にかけて開催されています。
環境教育研究部会は11月20日に開催されました。今回のテーマは研究課題にもある「フクシマを考える学習会」。まずは日教組の交流会に参加した、事務局・谷内県教組書記長からの報告。福島県教組からは、教員側から放射線の危険性等を子どもたちに伝えようととり組むも、行政につぶされたり、原発関連会社で働く保護者への配慮に悩んでいるとの実態を聞く。「現実は現地に行かないと分からない」このことは改めて痛感したとのことでした。引き続き、平和教育部会から参加の大森和子さん、8月に平和サークル「むぎわらぼうし」の福島視察に参加しました。現地で福島原発告訴団の武藤類子さんや佐藤真弥さん、飯舘村で原発避難を余儀なくされた、長谷川花子さん、健一さん夫妻との交流や、放射線に対する新たな安心安全のプロバガンダセンターとも言われる「環境創造センター」の視察等が報告されました。移動中に見られる大量のフレコンバックやバスで通過した大熊町、双葉町、富岡町の放射線量の高さ、浪江町では新設された小中学校(10人の子どもに17人の職員)の視察、予算をかけた施設が誕生しても人が戻らない実態報告がなされました。

教育政策部会は11月27日に開催。報告事項で事務局が参加した「親と子のリレーションシップ2018inとやま」で報告された、不登校児童生徒に対応する教育機会確保法(教確法と略)についての確認。協議事項として9月に公表された中学校道徳教科書採択、日本教科書が全国3地区中2地区が石川県で採択、なぜ石川県が「狙い撃ち」されているのか、参加研究員の意見交流を行いました。また、既報した11月30日に公表する「全国学力調査廃止に向けた声明案」を検討しました。

  

 11月30日(金)、教育政策部会で協議した「全国学力学習状況調査の廃止声明」(以下:全国学テ)を教育長に提出し、引き続き記者会見で説明を行いました。例年この時期に声明公表を行うのは、県教委が12月初旬(2018年は12月4日)に「評価問題」なる全県一斉の「事前テスト」が実施される前としてきたものです。
 今回の声明は、県教組が実施した組合員アンケートから、①「子どもに与える負担」、②「教育課程に与える影響」、③「教職人への負担」に関し、生の声を紹介しています。①については「過去問ばかりやらされ、自己肯定感が下がっている」、②については「テスト対策が授業の中心となってしまい、ほとんど教科書を開くことができなかった」、③については「授業準備、その他の業務に加え、調査対策の問題作成や解説など時間がいくらあっても足りない」など。
 こうした声が出される背景には結果の公表がなされていることで、さながら、各県対抗・自治体対抗の学力コンテストの様相を呈していることがあります。声明では「全国学テ日本一の学力とは何か」「教職員の負担を減らすには」と項を起こし、過去問や「評価問題」を繰り返して上がる「学力」や「活用力」の意味とは何かと問い、過大な教職員の負担を強いている実態も明らかにしています。最後に教育は競争原理で子どもたちを駆り立てるものでなく、この全国学テは廃止(離脱)して、未来を担う子どもたちの教育をめざすべきだ、としています。会見には2社が出席し、翌日の朝刊に掲載されました。なお、「声明」全文はPDFで以下に掲載致します。

1811 全国学テ廃止声明(PDF)

   

    11月23日、金沢市ものづくり会館を会場に、「公正な教科書採択を求める市民集会」(呼びかけ人、田村光彰・二俣和聖・川本樹)が開催されました。この集会は、2015年に県内3市で中学校社会科教科書に育鵬社が採択されたことから、再びこうした事態とならないよう、県内教育関係市民で構成する「子どもと教育を考える・いしかわ市民の会」(事務局・教育総研)が、県内市民に広く呼びかけて学習会を開催しているものです。会場には県教組組合員に一般市民、退職教員や報道関係者等、116名が参加しました。

   講演は池田賢市さん(中央大学・教育文化総合研究所所長)にお願いしました。テーマは「教科書をめぐる実践的課題と問題点」。池田さんはまず、学習指導要領の変遷に触れ、それが時々の時代(社会)の要請によるものであり、教育が社会に出ていくための準備と位置づける「教育の保守的機能」と、一方では社会変革の手立てとなる「教育の革新的機能」がある。現状では前者「保守的機能」ばかりが重視され、このことが教科書にどう反映されているか考えて見たい。学習指導要領の変遷に触れ、当初の学校現場の自主性尊重が、全国統一の内容の習得に、さらに経済発展のための人材養成、詰めこみ教育への反省から「ゆとり」教育へ、これが学力低下批判につながり、現在は再び教科や内容の増加、さらに今回の改訂では教育方法や評価まで規定するに至っていると指摘されました。
 今回の改訂の背景には2006年の「改正」教育基本法があり、家庭教育のあり方を規定したり、企業や警察等、様々な社会的組織が公教育に関与することを可能とするなど、教育の民営化や中立性の侵害などが懸念される。また、改訂の前提に「社会の急激な変化」「予測不可能」な事態への対応という、OECDの教育理念を忠実に体現している。つまり、権力行使しうる側の「言いたい放題」になり、学校現場に「足し算」ばかりが要求され、多忙化に一層の拍車がかかる。また、社会の要請は「感性」とされ、これが内心の自由を侵害することにつながり、道徳の教科化がこの具体化だとされました。

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