11月28日、第3回平和教育研究部会を開催しました。今回は学習会を中心に設定、講師として研究員でもある、森一敏さん(金沢市議)にお願いしました。テーマは「日韓平和連帯の視座から見た『徴用工』問題」、森さんの韓国独立運動家・尹奉吉(ユン・ボンギル、※金沢野田山に暗葬地あり)の平和精神を学び、16年にわたる相互交流の経験を踏まえた、この問題の本質に迫る講演となりました。
今日の日韓関係、2018年10月の「元徴用工」に対する韓国大法院の判決に端を発した、日本政府の非難声明以後、双方の応酬により事態はエスカレート、安倍内閣の姿勢に呼応するように、国民には「嫌韓」感情が広がっている。政権は反人道的な不法行為を行った企業と被害者である韓国人の対立であるものを、「韓国対日本」「韓国人対日本人」の構図に誘導していると指摘。しかも、根拠としている「日韓請求権協定(1965年)」では、個人の請求権は存在することを、日本政府が認めてきた経緯を覆い隠していることが大きな問題だ。こうした安倍内閣の姿勢の背景には、政権に都合の悪い侵略の歴史を反省せず、国民の記憶から消し去ろうとする一貫した歴史修正主義にあると指摘されました。
まとめとして尹奉吉の上海爆弾事件(1932年)の背景や韓国独立運動100年の意義を自身の訪問・交流を通じて語られました。これからの両国の平和連帯に向けて、金沢でも「独立記念館独立運動史研究所」尹素英(ユン・ソヨン)さんを招いて「平和のための日韓連帯・市民のつどい」を開催するとのことであり、教育総研でも参加を呼びかけています。
なお、この研究部会では、今年度の「8.6、8.9を中心とした平和教育のとりくみ」の報告も県教組担当からなされました。学校の多忙化や、実践の継承の問題がある中で、全県で平和集会や授業実践がとり組まれています。教育総研では引き続き提言や資料の提供を続けて行くこととしています。