環境教育フィールドワーク(美川安産川はりんこの池)

石川県評価問題の中止を

「全国学力・学習状況調査」で石川県は小6国語・算数、中3数学で全国トップという例年どおり上位の成績であった。これらの結果を維持するため学校では事前練習が行われており過度の競争的環境は、得点力の低い生徒には過酷なものとなっている。石川県では前年の12月に独自の評価問題が行われており、学力調査の対策の前倒しは子どもたちの負担を早くから増やしている。結果が注目されると正答率の低い市町や学校では対策に拍車がかかることになっている。石川県の不登校数が全国平均より大きく上回ることが6月の県議会でも問題になったが、県評価問題などの全国学テに対する過剰反応がこの状況と無関係とは考えにくいのではないか。
「全国学力・学習状況調査」及び「県評価問題」の廃止を求める声明(左をクリック)

公正な教科書採択をもとめる市民集会

2023教育改革キャンペーンとして公正な教科書採択をもとめる市民集会が11月19日(日)石川県教育会館で行われました。半沢共同代表の基調報告では教科書採択と育鵬社歴史教科書の問題点が提議されました。小松市の中学校社会科教員からは他社と比較した説明があり、分かりやすかったという感想がありました。金沢市や加賀市から今年取り組んだ署名活動等の報告がありました。金沢市では議事録での発言者の教育委員名が表示され、加賀市では採択会議の一部が公開されるなど、これまでより一歩前進する動きが見られました。

中学生は4時半下校-岐阜県下呂市

下呂市は2004年に4町1村が合併。中学生は6校で796人、20年前からは4割減少している。部数も減っているが、部員や教職員の数が減る状況が続いていた。2年前から部活動構想として合同練習を推奨してきた。昨年は休日の指導者を市教委が委嘱し、生徒の移動手段の確保としてスクールバスや公共交通機関の利用について市が負担している。今年は平日は学校で、休日は拠点校で地域クラブとして活動している。大会にも合同チームとして参加し、部活がない学校から陸上で全国大会に出場することができた。生徒からは「やりたい競技ができる」「多くの仲間と練習ができる」「専門的な指導が受けられる」という声がある。

学校では週3日練習し、火・金は5時間目後に始め1時間半ほどになる。月は生徒会活動が水は7時間目が入っている。下呂市では205日の授業日があり30日分の余裕があるため週2時間を削減して部活動に充てている。教職員も部活動後や休日の時間を確保することができた。

「昆虫と自然、子どもと教育」

環境教育部会でのふれあい昆虫館の石川卓弥さんからの話では、昆虫の種類は生物全体の7割をしめ、日本には熱帯より多い3万種が見られる。昆虫は植物の消費者のはたらきが多いが、受粉を助けているため昆虫がいなくては繁殖できない。ミツバチを食するスズメバチは節の間が細いため固形物が通れないつくりになっている。子どもたちが昆虫に興味を持てる実験が紹介された。シロアリが好むフェロモンと似た成分がボールペンのインクに含まれており書かれた線の上を動いていく。モルフォチョウは鮮やかな青色をしているが、構造発色として青色の光の波長を反射しており、アゲハチョウの標本のように色素が褪せることがない。この原理はレクサスのボディカラーにも使われている。標本にエタノールをかけると色がくすむが、蒸発すると元の色に戻ってくる。子どもたちには身近な自然環境の指標となる昆虫を好きになってほしいとのことでした。

5.5奥能登地震の被災地にて

環境教育部会のフィールドワークでは午前中に最も揺れの大きかった珠洲市正院地区を訪れました。舗装された道路に多くのくぼみがあり、地盤の柔らかい地下で液状化が起こっていたと思われます。多くの木造の家屋には、危険と診断された張り紙が見られ建物がねじれたり傾いたまま残っている状態でした。仮設住宅は数か所にあり、今後は市営住宅の建設も予定されています。午後の公開講座では、直小と飯田高の先生から被災の様子を話していただきました。小学校に行ったとき玄関に置いてあったグッピーの水槽が倒れてガラスが散乱していたそうです。もしも子どもたちが学校にいるときであったら、避難する経路が危険な状況になっており、災害時を考えて倒れる物は固定する、重い物は低い所に置くなど学校の中を見直す必要があるとのことでした。多発する珠洲地域での地震の震源が北へ移動しており、能登半島北方沖の5つの活断層の1つ珠洲沖セグメントと連動する可能性がある。その際は津波が発生するため、予想される高さや時間を想定して避難する訓練が必要となります。

環境教育部会学習会「珠洲地震について」

「珠洲地震について」青木賢人 部会長
2007年のような断層の横ずれによる地震では、本震の後の余震のゆれは徐々に小さく少なくなっていく。今回の群発地震は、2021年6月から震度3以上の地震が長い期間に数多く続いており、大陸から日本海が形成されたときに能登半島の地下にできた無数の割れ目に、太平洋のプレートが沈み込んでいくときに上昇してきた液体が入り込んで地震が発生するものと考えられている。震源は外浦側であるが、地盤の柔らかい内浦側のゆれが大きく家屋の倒壊などの被害も多く見られた。埋立地のラポルトすず周辺では、液状化現象のあとも確認することができた。
群発地震の震源は北に移動して日本海の珠洲沖セグメントに近づいており、大きな地震を引き起こすことも考えられる。その際には津波の発生もするため、対策を要する。
5月の地震では、高校図書室の書架が倒れたが連休で生徒がいなかったことが幸いした。固定をすることや重い物を高い所に置かないなどの見直しが必要である。中学校理科室のガラス器具の破損は、昨年の地震とはゆれの向きが違ったことによるものであった。

平和教育研究部会「内灘闘争70年」

内灘町の歴史民俗資料館「風と砂の館」を見学し「内灘闘争」DVDを視聴した後、内灘町役場に移動してシンポジウム「これからの内灘闘争」に参加しました。金沢大学の学生が廃寮をめぐる取り組みを通して、自治を体現する意識について発表しました。テレビ番組の「ムシロ旗と星条旗 ~あなたのまちに基地があったら~」も紹介されました。
内灘闘争年表

石川県地方自治体における教育予算等調査結果

石川県内の市町の教育委員会に調査を依頼し回答いただいています。
1.2022年度「子どもの学びの保障」県内自治体施策について
・自治体奨学金制度
・教育機会の確保等に対して
・就学援助制度 受給状況
2.2021年度決算における学校図書館図書費の自治体比較分析
・文科省基準における図書館蔵書達成割合
・基準財政需要額に対する決算額割合
・児童生徒1人あたりの図書費
3. 2022年度の学校図書館司書の配置 比較分析
*2022年度から第6次「学校図書館図書整備等5カ年計画」が策定され、図書整備に単年度で199億円、新聞配備で38億円、学校司書配置に243億円、合計で480億円の地方財政措置(普通交付税の基準財政需要額に算入)が講じられている。市町によって図書費としての予算計上にバラツキが見られる。金沢市は学校司書の数が6人増え複数校のかけもちが減っている。今回は新たにヤングケアラーについての項目を設けたが、県が小中高生行った調査の結果は、部署が違うことから教育委員会に状況が伝わっていない。同様に奨学金返還支援も10市町で事業化されたが教育委員会の回答からは上がってきていない。
石川県地方自治体における教育予算等調査結果

「ウクライナの子どもたち」「七尾と戦争」

平和教育研究部会では寺澤環日教組国際部長からウクライナの教育のようすについてお聞きした。国外に避難した後、子どもたちはその国に残っている。教育インターナショナルでは、近隣国のポーランドなどの各受入国の言語と母国語での教育を難民子ども向けの教材を開発して行っている。ウクライナでは、国外をふくめリモートで可能な地域で対面でも授業を行っている。西部では学校を避難所として食べ物と居場所を提供し教職員が運営に協力している。日本の子どもたちには、この戦争から最大の人権侵害が行われていることや、報道ではウクライナの被害ばかりが伝えられるがロシアも国でなく個人では反戦活動家もいることを考えてほしい。
角三外弘研究員からは、戦争のときの機雷はアメリカのものだけでなく日本海を流れてロシアや日本のものも能登半島に漂着することがあると考えられること、沈没した船に乗っていた中の朝鮮の方の遺体を、富来の住職が自分の家の墓に埋葬した話を紹介された。

「志賀原発をめぐる状況について」

「環境教育」研究部会の学習会では、北野進さんから原発について話を伺った。ウクライナ紛争による資源価格の高騰と円安により電気料金が値上げしており、原発再稼働も必要ではとの声も出てきている。12年前の3.11以来の脱原発の世界的な潮流は変わらず、太陽光や風力が伸びて自然エネルギーの増加が続いている。これらの発電原価が下がっているのに対して、原子力が最も高く上がり続けている。日本の政策では、原子力立国化が破綻した後もアベノミクスの成長戦略に原発輸出が盛り込まれたが再び失敗となった。国内に向けて新たにGX(グリーントランスフォーメーション)基本方針として、再稼働と運転期間延長、廃炉後の次世代炉での新増設が出されている。志賀原発は停止から12年が経ち、新規制基準適合性審査申請から8年以上が過ぎたが、地質構造について断層の活動性評価の審査が行われているが、まだ未着手の項目が76もある状況である。深層防護の防災・避難計画では5km圏外の住民は屋内退避となっているが、被ばくから守ることができない。毎年行われている石川県の避難訓練でも多くの住民は「防災のしおり」の内容が分かっておらず一斉に避難しようとすることが考えられます。近隣自治体も安全協定に再稼働の拒否権を入れて締結することが必要となってくる。

katudoimg

contac01

itiran-bot

kyozailink

アーカイブ

Count per Day

  • 164213総訪問者数:
  • 26今日の訪問者数:
  • 50昨日の訪問者数: