環境教育フィールドワーク(美川安産川はりんこの池)

育鵬社中学校歴史・公民教科書採択に抗議する

 小松市と加賀市教育委員会が、育鵬社中学校歴史・公民教科書を採択したことに抗議を行った。前回は、横浜市、大阪府内諸都市などが再採択を見送り、育鵬社教科書の約10%もあった全国採択率は約1%まで激減した。これは育鵬社教科書の問題点が全国的に広く知られるようになった結果と思われる。さらに今回は石垣市・与那国町、泉佐野市、下関市、金沢市が採択を中止した。育鵬社歴史教科書の問題点は、間違いの多さと偏狭な国家主義的叙述にある。また、公民教科書の問題点は、偏狭な国家主義的社会観と人権意識の低さにある。天皇の専制支配を定めた大日本帝国憲法を美化し、主権在民・男女の平等・基本的人権をもたらした日本国憲法を「押し付け」のみを強調し貶める記述である。人権についていえば、子どもの権利条約の説明に同条約の核心である「子どもの意見表明権」への言及がない。加賀市が採択した日本教科書道徳教科書の問題点も、偏狭な国家主義と人権意識の低さにある。LGBT問題が取り上げられるなど見かけ上の「現代化」の跡も見られる。しかしアジアへの侵略思想を鼓舞した吉田松陰の讃美に紙幅を費やし、阿賀野川水俣病訴訟で企業の責任を問わずそれを個人と自然の一般論とするなど、本質的なものは何も変わっていない。
豊かな自然と文化資産に恵まれ、空港や温泉を多数擁し世界に開かれた地でもある小松市と加賀市の子どもたちに必要なのは、国際的に通用する歴史認識と、高い人権意識が学べる教科書ではないのか。
「小松市の育鵬社中学校歴史・公民教科書採択に抗議する」抗議文は右クリック
「加賀市の育鵬社歴史・公民教科書、日本教科書道徳教科書の再々採択に抗議する」

学校図書館での司書の活動と課題

石川県の小中学校には、学校図書館司書が配置されている。複数校兼務の司書もいるが、2014年にすべての小中学校に配置された。学校図書館は、学校の教育課程の展開に寄与するための設備であるが、司書はその目的のために専門性を持って活動する。
教育政策研究部会が8月26日に行った学習会では、小松市の中学校と野々市市の小学校の司書の方から、司書の活動と課題についてお話を伺い、意見交換を行った。学習会の参加者は、読書センター・学習センターとしての役割を持つ学校図書館で、司書が貸出・返却、選書・蔵書の更新、本の展示や紹介などの活動だけでなく、調べ学習のための図書の準備をしたり、図書資料以外のメディアの特徴や選択の仕方を児童生徒に伝えたりするなど、多岐にわたる活動をしていることを学んだ。その一方、図書とICTとの併用が求められる中、司書に学習用端末が支給されていない学校があること、司書教諭を含む教職員との連携が十分でないことなどの課題があることも学んだ。また、司書の勤務労働条件にも様々な課題がある。司書の9割は会計年度任用職員(非正規公務員)で、任用期間が不安定で、賃金の改善はあっても退職手当がなく、休暇制度も十分でない。司書は高い専門性を持って日々活動しているのに、それに見合う待遇になっていない。そのため、今後の勤務や生活への不安、仕事への意欲の低下に悩むことが多い。学校図書館は、児童生徒の豊かな心を育み、学習を支援し、教養を育成する大切な設備である。その大切な図書館で活動する司書の役割は大きい。司書が安心して、生き生きと働けるように待遇を改善し、環境を整備することが必要である。学習会では、参加者からお二人の司書に様々な質問があり、その質問に対する回答から現状について深く考え、認識を新たにすることができた。今後さらに多くの人が司書の活動について知り、その課題の解決に向けてともに考えていくことが求められる。
レポート「学校図書館での司書の活動と課題」

平和教育フィールドワーク・公開研究講座

8月3日(土)寺井地区公民館に集合しフィールドワークを行いました。能美市の根上の忠魂碑や墓地を回り新町で在日朝鮮人の方の話をお聞きした後、盧秀吉さんからは日本の植民地政策や新町(朝鮮人部落)の歴史やこれまでの生活についてうかがいました。 午後からは白山市立博物館に移動し「青い目の人形」を見学しました。1927年にアメリカから日本の学校や幼稚園に友情の人形として贈られたが、戦争により敵国人形として多くはこわされた。石川県内には守られてきたものが3体残っている。今回の内容は地域に残されたものを子どもたちが探した活動のレポートからである。この取り組みから学ぶものは多い。
平和レポート フィールドワークまとめ(クリックしてリンクを開く)

「能登半島地震後の防災教育~脅しの防災教育を越えて」

8月10日のフィールドワークでは、奥能登地区の被災地を回りました。輪島市街地の倒壊したビルや火災の朝市のようすを車窓から見た後、輪島中学校に向かいました。体育館は避難所として校舎は小学生も共同で使用しています。敷地中央の校舎は無事でしたが盛り土をしたグランドや駐車場は大きくひび割れ崩れていました。千枚田の平らな地形は、急な斜面が地すべりにより山が崩れてできたものであり、奥には今回の地震での地すべりで道路が寸断されている様子が見られる。自然災害は生活環境を破壊するが、同時に農地や集落など生活の場をつくる恵みにもなっている。内浦側に移動して、能登町の白丸地区の津波や松波小学校の被災のようすを車窓から見た。
8月27日は青木部会長がまとめを行った。能登半島地震は活断層によるものとしては濃尾地震を超える過去最大規模であった。4つのセグメントが順に連動したことにより1分におよぶ長いゆれであったため、山くずれや液状化などの被害が大きくなった。輪島市など外浦側の海岸は隆起したため津波の被害は免れたが、塩田や漁港などは使えなくなった。隆起による海岸段丘の地形が形成された。防災教育と環境教育では、命を守るために自然は怖いという「脅し」と自然の豊かさが「好き」でそこに居るための技術を高めることが求められる。柔らかい避難訓練として、こども園のお散歩は違う場所に移動する練習とも考えられる。

山中小学校での平和集会

8月6日に行われた平和集会では、HPの2014年フィールドワークを見て依頼があった佐藤公男さんが6年生の教室でお話しされ、他の学年はオンラインで視聴しました。山中小は1939年に建設された山中海軍病院の跡地にあり、当時の写真と共に傷病兵の看護を手伝ったことや空襲の恐れがあったために掘られた防空壕の跡が今も残っていることなどが紹介されました。

現行の学習指導要領の問題点と次期改定に向けた課題

公開シンポジウムのご案内
〇日時   2024年9月8日(日) 14:00~17:30
〇内容   現行の学習指導要領の問題点と次期改定に向けた課題-より良い学校教育のためにー
〇開催形式 リアル対面とZoomオンラインのハイブリッド形式
        会場:上智大学四谷キャンパス6号館3階6-301教室
公開シンポジウム案内-0908

金沢の教科書を考える市民集会

「もう変えませんか?金沢市の歴史教科書」6月16日(日)教育プラザ富樫
・森一敏研究員がこれまでの金沢市議会の状況について報告された。2015年に山野市長が総合教育会議で「国の成り立ちである神話を」との発言。評価の低い育鵬社に最終の教育委員会議でひっくり返される。12月議会では「歴史に向き合う内容の議論がお粗末すぎる」と。2020年は選定委員会の答申が比較評価しづらい一覧になりプラスの数が少ない育鵬社が再採択された。2023年6月議会では「公正性・透明性、説明責任の担保を」と質問し、議事録の発言者名が記載されるようになった。
・相可文代さんは大阪での育鵬社教科書採択阻止の闘いについて話された。橋下徹府知事が大阪市長に鞍替え、採択区を8区から1区に統合した。サンケイ印刷の高尾教育委員が再任され、フジサンケイグループに1万8千人4年間で1億を超える教科書代金が入ることになった。「市民アンケートは7割が支持」フジ住宅の会社ぐるみでの水増しの実態を暴いた。大阪市議会が追求し「不適切な採択過程」が指摘され2020年育鵬社採択をやめた。
・高校生の感想では、他国が悪くなる印象でシベリア抑留には人数があり南京事件は虐殺とも人数もなく違和感や不信感を持った。会場での意見交換では、育鵬社の内容や採択過程の問題点について多く発言された。小林共同代表から問題があるから経緯がどこか秘密にせざる得ないとのあいさつと「金沢の教科書を考える市民集会アピール」で締めくくった。
金沢の教科書を考える市民集会アピール〈クリック〉

石川県地方自治体教育予算調査

「子どもの学びの保障」について県内市町の教育委員会調査結果をまとめました。就学援助の受給状況は小学生11.4%中学生13.5%であった。独自の奨学金制度があるのは14市町で、返還支援を何らかの形で行っているのは10市町であった。教育機会確保のための不登校、ヤングケアラー、LGBT等の支援については庁内部局を越えた連携が求められる。
自治体調査結果・まとめ

教科書採択の会議公開を求める

小松市教育委員会に市民から集めた署名を提出するとともに、会議の公開を要望しました。中学生が来年から4年間使用する教科書を、各市町の教育委員会が今年は決める年になります。前回の2020年小松市では選定委員会ではじめに推薦されなかった教科書が教育委員会会議で採択されました。このときの結果には疑問が生じ、文科省の通知にもある説明責任を果たすには審議の過程や理由を明らかにする必要があります。全国的にも公開する教育委員会が増えています。静謐な環境が求められるのであればオンラインによる公開という方法もあります。
「教科書採択に関わる会議の公開を」要望書は左をクリック

パレスチナ問題から考える教育

第3回教育政策研究部会ではイスラエルによるガザ攻撃について半沢部会長がお話しされました。パレスチナ問題の背景にイスラエルの「約束の地」神話教育と、アメリカのキリスト教シオニズム大票田をもたらした公教育の貧困があること、教育の社会的重大性と日本の教科書問題に対する運動の意義が指摘されました。
パレスチナ問題から考える教育(概要はここをクリック)

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