平和主義こそ日本の伝統

7月5日(土)教育総研「教育政策部会」が主催する公開研究講座が開催されました。この日は県教組の全支部執行委員学習会、その場に教育総研が学習会を企画する形を取り、執行委員150名に総研関係者30名が参加しました。

147本間写真2講師は神奈川県高等学校教育会館特別研究員の本間正吾さんゆたかな学びを否定する「安倍教育改革」~「“日本型”市民」像をめぐって~を講演テーマとされました。本間さんは「“日本型”市民」とは、欧米各国が長い歴史の中で形成してきた市民とは違い、日本では近代の始まりとともに作られたものと言われます。そこに近代文明の恩恵や富が集まり、多数の貧しさが蓄積された農村社会とは分離されてきた。戦後から近未来へ、境目は見えにくくはなったが、新たな「“日本型”市民」(グローバルワーカー)が形成されている、この層が、兵隊や道具として期待され、これが道徳教育や教育改革の対象となっていると指摘されました。

今、学校現場には「わたしたちの道徳」という副読本が文科省から配布されています。そこにヒーローとして登場する二宮尊徳や野口英世、共通するのは立身出世の物語であり、成功者は偉いという刷り込みがなされようとしている。また日本の伝統を「サムライの国」と規定、明治維新も武士の自己犠牲で成し遂げられたと徹底しようとしている。

147本間写真3本間さんは敗戦とともに、打ち消された「百姓・町人の文化」が蘇れば良かった。その文化こそ、村組織で培われた共同主義、自治主義、地方分権、そして平和主義が根ざした文化だった。まさしくこの「平和主義こそが日本の伝統」なのだと強調されました。

安倍教育改革が企図する「“日本型”市民」像、それを教育の場に持ち込む道徳教育といかに対抗するのか、示唆を受けた学習会となりました。

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