「科学のまち」津幡町のユニークなとりくみ

いしかわ教育総研が毎年実施している町村教育委員会訪問と教育施設視察、今年度は11月27日に津幡町にお願いしました。参加者は所長・事務局・研究員11名になりました。津幡町はこの9月に「教育振興基本計画」を策定したばかりとのことから、教育総務、学校教育、生涯教育のそれぞれの所管より、重点施策の説明を受けました。

1410津幡1質疑の中で重点的に議論されたこととして、1つは「土曜授業」の導入です。町教委として今年6月に町民アンケートを採った結果、75%の支持があったことから、来年度から学期1回のペースで始めたいとのことでした。ただ、学校には学力向上を期待するとの説明に対して、参加者からは「本来社会活動の一環で自由参加のものだが、授業ということになれば義務とはならないか、職員の服務の問題も懸念される」、「保護者は狭い意味での学力を期待していない、様々な体験をする機会にしてほしい」等、他の自治体への波及も懸念する意見が出されました。

注目されたのは「科学のまち」を推進し、科学教育・活動を展開するというものでした。すでに10月に町内空き店舗を活用した「まちなか科学館」をオープンさせ、科学をテーマとした公園整備も行うとのことでした。なぜ科学なのか?という質問に対し、科学を学習するには、算数力、国語力、そして英語力も必要になる、この科学を切り口とした町づくりで、教育全体の底上げをしたい。将来関連施設を充実させ、交流人口の拡大や修学旅行の誘致も考えたいとのことでした。

津幡町に限らず、県教委に倣い、各自治体の教育方針に「確かな学力」の定着が目標に掲げられ、その判断の目安がやはり全国学力学習状況調査の結果となっています。教育総研が「豊かな学力」を提起しているのは、過剰ともいえる学力競争を危惧していることにあります。津幡町の多種多様な取り組みが、子どもたちを主人公とする施策になるよう改めて期待するものです。

教育委員会事務局は文化会館シグナス(「はくちょう座」の意)に入居しています。懇談会後に施設視察をさせていただきました。大ホールは802席で、音響に配慮された設計とステージは十分に広く、客席との近さを感じました。また町立図書館や児童館も併設された複合施設となっており、図書館では、今後学校図書館との連携を目指し、相互閲覧が可能になるよう努めるとのことでした。また正面には大河ドラマ誘致の期待を込めた木曽義仲や科学の町にちなむコーナーが設置されており、町の教育・文化の拠点としての役割が果たされているようでした。

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