珠洲一貫校、地域の学校存続に意義

5月末、教育総研3部会が相次いで、第1回の研究部会を開催しました。

28日に開催した「教育政策」部会では、「県内小中一貫校に見る県内学校統廃合の動向」をテーマとしました。今回は朝日新聞社金沢総局・樋口大二記者を招き、取材された珠洲市宝立小中学校の現状について報告いただきました。樋口さんは「全国的に小中一貫校が増えてきているが、地方にはないと思ってい145 教育部会2た。県内唯一のこの学校を取材してみて、当初は教職員や保護者には前例がないことから、不安が大きかったというが、踏み出してみると、中学生が小学生をいじめるようなこともなく、問題も生じていない。しかし、教員は相互乗り入れの兼務辞令が発令され、中学教員が小学校で英語の授業を行っているとのこと。教員には負担が大きくなっていることは事実だ」との報告をされました。

研究員である北野進・珠洲市議からも報告を受け、こうした一貫校の方針は08年、教育委員会が市長へ「学校統合問題(今後の望ましい教育環境)に関する答申」に始まるといいます。「12年4月に開校したこの宝立小中学校、小中併設の施設一体型、4・3・2制でそれぞれ教育目標を明確化、文科省から英語特認校を受け、5年生から英語科、6年生で中学教科書を使うことになっている。課題もいくつか見えてきた。体育館や特別教室が窮屈、小中で授業時間が合わず、始業だけのチャイムとしている。大きな問題は6年生、リーダーシップを発揮する場面がなくなっているし、中1ギャップが解消されたか検証が難しい」とのことでした。今後は16年開校に向け、大谷中と西部小の小中一貫校が準備されているが、小学校が複式でもあり、新たな施設を作ることの是非をめぐり、今回の市長選の争点にもなりました。

大都市の一貫校は概ね学力向上を企図したものである中、珠洲市の例は地域に学校を残す手立てとして模索されてきたことは評価されます。ただ、小中一貫校に対応する法整備が遅れており、現場に対応が丸投げされ、様々な形で負担増となる実態があります。金沢市が進めている小中一貫教育については、新たに施設一体化を進める計画もないことから、あくまで9年間を見通した教育課程づくりが中心課題と見られます。学校現場への明確な意義の周知がまだまだ不十分、これまで進めてきた中学校の学校選択制を見直すための施策として打ち出したのではないか、との意見も出だされていました。

 

なお、「平和教育」研究部会は5月22日に開催、当面する加賀市を会場とする公開研究講座(6月15日)の打ち合わせを中心に議論を行い、27日に開催の「環境教育」研究部会は年間通して、文科省が学校現場に下ろしている「放射線副読本」について、分析を行うことを決めています。

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