原発事故、一番の被害者は子どもたち

8月21日、中能登町・ラピア鹿島を会場に環境部会主催による公開研究講座を開催しました。会場には地元の組合員の他、退職者の皆さん、教育総研の研究員が63名参加しました。前段は七尾鹿島支部の古川雅詩さんの昨年度全国教研参加レポートから、「中島の里山里海を未来へつなごう」という実践報告。古川さんはまず、環境教育で大切なことは「子どもたちに、より多くの自然体験をさせる。大人が感動を体験する」と位置づけ、行政や地域住民と連携しながら、地元河川の生き物調べや海岸清掃を通じ、豊かな海と里山とのつながりを実感、また、中島が本州最後の生息地だったことから、専門家を招きトキの学習、加えて佐渡との交流など、多岐にわたる実践報告がなされました。多忙な学校現場で、焦点化が難しく時間確保も必要とする環境教育に取り組まれた実践は示唆に富むものでした。

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後段は「福島の今と学校現場」をテーマに、福島から日野彰さん(福島県教組原発災害担当特別中央執行委員)の講演をお聞きしました。日野さんは原発事故当時20km圏内の楢葉中学校に勤務、その後避難生活を余儀なくされ、2012年から福島県教組の専従執行委員を担当しています。教育現場はどうなっているのか、双葉地方では、学校が一部再開されているものの、事故前と比較して、小学校で9.4%、中学校で11.7%しか、子どもは在籍しておらず、むしろ昨年より今年は減少しているとのこと。報道で「再開=元通り」という印象を与えていることは問題だ。校舎は廃校となった学校やプレハブ、工場施設。特別教室や体育館もない学校がある。避難先からの通学で1時間以上かかることも珍しくない。この震災と原発事故による避難生活で、自分の将来に夢を描けない子どもたちが増えており、一番の被害者は子どもたちだと指摘されました。教職員も同じ被災者だが、社会全体で事故がなかったかのように次々と繰り出される行政からの要請に応えるべく、日々奮闘しているが、精神疾患などの病休者の増加を懸念しているとのことでした。

安倍政権は、国土強靱化計画やオリンピック招致など、復興の妨げになるような政策ばかり打ち出し、一方で復興特別法人税を1年前倒しで廃止するなど、復興より経済優先のことしか考えていない。しかも原発再稼働に向けて、各電力会社は躍起になっており、安倍政権もその後押しをしている。原発反対運動は立地地域の問題とするのでなく、国全体の問題として考えてほしいとまとめられました。この夏に20km圏内である富岡町の自宅に戻られた日野さん。防護服を着て、伸び放題の草刈りをされた様子を紹介されましたが、住み慣れた自宅に戻れない悔しさが切実に伝わってきました。後段の写真は再開された学校の現状、講演で紹介され、注目された「いびつな日本列島」、能登半島は珠洲市の一部が残されている。

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