せっかくの文科省「放射線副読本」活用すべきでは

第3回の研究部会がそれぞれ開催されました。11月25日は「環境教育」研究部会です。部会が今年度の課題としている文科省版「放射線副読本」の批判分析に入りました。この副読本は、各学校の希望冊数を県教委が取りまとめ、文科省が直接届けているものです。ただ、この副読本がどの程度活用されているか、県教委も把握していないようです。福島第一原発事故からすでに3年半余、そP10800581の記憶も風化しつつある中で、事故や放射線について学校で取り扱うことは重要であり、この副読本は活用できると部会では考えてきました。
8月に開催した学習会で、福島県教組・日野彰さんは、以前のものに比べて、事故に伴う福島県の状況についての記述が増えているものの、原子力や放射線利用の記述は、原子力利用促進の立場になっており、放射線の危険性を小さく見せるような記述が目立つ、と指摘しています。部会では今年度中に「見解」を取りまとめ、学校現場での原発・放射線学習の推進を呼びかけていくこととしています。

これより前、11月21日は「平和教育」研究部会、今回のテーマは学校現場で実施されている平和教育です。県教組が提唱してきた8.6や8.9を中心としてきた平和教育も、今日の多忙化する学校現場で実践することへの様々な課題が挙げられました。
今年も7割を超える学校で何らかの実践が行われていますが、事前の学習会を開催した上での取り組みは3割程度ということからも、一部の熱心な組合員に支えられている実態がうかがえます。意義を感じないとする若い教職員・組合員も増えていたり、安易に手近な教材を選択していることも調査結果から見られます。保護者の中にはきっちり平和教育を経験してきた方も多く、私たちの取り組みの成果も大切にしながら、実態を見据えた新たな平和教育の提唱を総研として行う必要があるとの意見も出され、次回の議論に引き継ぐこととなりました。

11月26日は「教育政策」研究部会、これまで進めてきた文科省「私たちの道徳」(以下、副読本)についての批判分析を行いました。文科省は10月21日の中教審の答申を受ける形で、2018年度の教科化を目指し、それまでに学習指導要領や教科書検定基準の策定に入るとしています。
この「私たちの道徳」はそれまで副読本とするようですが、事実上の教科書化する懸念が十分あります。ある意味では巧妙に編集されており、通読しただけではその意図を読み取ることは難しいと思われることから、部会ではこれまで小部会での全般的な内容検討を進め、学校現場の研究員からはこの副読本を使っての授業案の提案をお願いしました。
部会の半沢英一(部会長代行・金沢大学)さんは、この副読本には3つの意図がある。①「夢」「理想」「情熱」が、現実の条件を無視した形DSCN37971で、無批判に無制限に賞賛されている。②「集団のきまり」や「法」を護らねばならないというご託宣が、基本的人権や為政者の順法義務に言及されることなく、情緒的に下されている。③「ふるさと」や「国」への没論理的で無批判な帰属が、情緒的に奨励されている。と指摘しています。部会では年度内にとりまとめを行うことで作業を進めていく予定です。

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