さらなる学力向上施策に懸念表明

5月29日、事務局、研究員が11名参加し、2015年度県教育予算説明会が開催されました。県教委からは予算編成のポイントを「教育をめぐる様々な課題に対応するため、確かな学力の育成や教員の資質・能力の向上など、必要な諸施策を積極的に展開する」とし、新規事業を中心に説明がなされました。参加者からは以下のような質疑がなされました。

1505 教育予算(2)① 学びの組織的実践の推進として、拠点校・連携校として小中学校を70校指定、学校指導員を5名配置している。県教委の説明によれば、石川県は全国学力調査で上位にあるが、まだ地域間、学校間にバラツキがある。そのため、前市町に拠点校を設け、連携校とともに、子どもの学力向上、教師の指導力向上を図る。そのために指導員として退職校長を充てるとのことでした。
質疑で「バラツキはある意味当たり前のことだ、次々打ち出される学力向上策で、教育現場がますます疲弊することを心配するが、そうした認識は県教委にはなかったのか」との質問を投げかけましたが、答弁はありませんでした。例年12月に実施される「評価問題」も予算拡充がなされており、今後とも動向には注視せねばなりません。

②     土曜日の教育活動推進という事業が大幅に予算増となっています。県教委は「土曜授業」と「土曜学習」を使い分け、所管も別になっています。この内、土曜学習は6市町23カ所が推進指定され、地域の人材を活用した活動がなされるとのことでした。一方、土曜授業は県立高校3校と、1市町(輪島市)が指定を受けています。しかし、実態として拡大の傾向が見られます。県教委の把握では、他に金沢・七尾市、中能登、津幡、宝達志水町が独自に推進しているとのことでした。この土曜授業は結局「学力向上」の名の下で、教科授業を行い、教職員が担当するとの実態があり、教育総研でも問題視しているところです。

③    今年も奨学金需要に対応するとして、新規貸与枠400人分が予算化されています。この事業に「未収金回収業務の民間委託」が新規となっています。県教委によれば、一時期未回収金は6000万円を超えたが、今は5200万円程度、増えてはいないが、減ってもいない。職員では対応ができない状況にあるとのこと。民間委託で事務的に対応することの是非は、議論のあるところですが、一方で給付型の奨学金も増額されていることは評価されます。

④    その他、参加者から指摘・要望があった項目は以下の通りです。インクルーシブ教育の推進としながら、予算は特別支援校に特化されているのではないか。「きめ細かな指導体制の充実」とあるが、依然として現場からの要望が大きい少人数学級に予算が付いていない。通級指導教室の拡大、栄養教諭の計画的な配置の項目が見えるが、拡大と言っても僅かだ。現場ではニーズが大きくなっており、さらなる増員を期待したい。また、要望として道徳教育推進リーダー養成研修が新規事業となっている。文科省版「私たちの道徳」には問題があり、これを基準として頂きたくない。これについては担当者が不在で明確な答弁がありませんでした。

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