地域理解がグローバルな環境理解に

8月18日、教育総研・環境教育部会主催の公開研究講座が白山市鶴来公民館を会場に開催されました。今回は部会長でもある金沢大学・青木賢人さんに、「身近な環境から世界を知る」~白山手取川ジオパークから見える人と暮らし~をテーマに講演をお願いし、県内の環境教育推進委員、地域の教職員、そして教育総研関係者80名が参加しました。

DSCN5608青木さんは、ジオパークの目的に「大地の遺産を用いた教育・科学の普及」があり、そのジオパークを通して、自らの地域を学び、考えることで、地域の「個性」に気づき、他の地域を相対化し理解することにつながる。つまり足元の環境の理解から、グローバルな環境理解へとつながると指摘されました。そのことで「どこにでもある街」「普通の街」は全国どこにもなく、むしろ自分の地域に自信をもつことで、「地域アイデンティティ」の確立がなされる。地域の立ち位置が分かれば、あるべき姿、地域の未来が見通せるようになる、と提言されました。

春先から手取川上流域の大規模な崩落により、水の濁りが大きなニュースになりました。しかし、これも手取川扇状地の形成の歴史から見れば、特別の事ではなく、そうした繰り返しで全国有数の扇状地ができあがったし、「扇頂の街」鶴来はこの山と海をつなぐ役割を果たし、産業と文化が根付いたと説明されました。さらになぜ扇状地なのに水が豊かなのか、一方で、大規模な被害も想定される「森本富樫断層帯」が直下にあることも紹介され、このことが「鶴来らしさ」と結びついており、ここにしかない自然の組み合わせが、街ならではの特徴、「自然と人のストーリー」を創り出しているとまとめられました。

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環境教育部会では、今年度の研究課題に、「地域の自然をどのように環境教育に活かすのか」を挙げており、今回の講演を踏まえ、現場への提言が出来るようさらに研究協議を進めていくことにしています。なお、この公開研究講座では冒頭に昨年度の全国教研「環境教育」でレポート参加した石川支部白嶺小学校の野口理さんから「地域が育てる子どもたち」~身近な自然の中での体験活動を通して~の報告頂き、教研活動との連携も図りました。また、講演会に先立ち、午前中は青木部会長の案内により、鶴来地区のフィールドワークを開催、特に天気に恵まれた獅子吼高原からは、見事な手取扇状地を望み、市街地では鶴来の立地地形とそこで育まれた産業などを紹介頂きました。

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