土曜授業、学力調査公開、その意義は

10月17日、教育総研が年1回実施する教育委員会視察として、輪島市を訪問しました。教育総研からは田村光彰所長をはじめ、11名が参加、輪島市からは吉岡邦男教育長、松山真由美教育部長に対応していただきました。特に吉岡教育長は組合役員も経験され、参加した研究員とも面識があることから、最後まで気さくに懇談に参加していただきました。

 懇談テーマの1つは「土曜授業」です。説明された事業内容は、「年10回各学校で計画、教育課程内に位置づける、小学校は3~6年の担任、中学校は教科担当が中心に対応。外部人材も登用し、TT指導や習熟度別指導を実施、教職員の勤務は長期休業等に振り替える」というものでした。成果として「分からないところが分かるようになった、英語のアルファベットが書けるようになった、英検合格者が増加した」等があげられています。

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    教育総研では教育課程内に位置付ける意義は何か、内容が学力向上策に傾斜していないのか、教職員の勤務の割り振りが確保されているのか、など、現場の実態調査を踏まえた課題を提起してきました。参加した研究員からは、文科省の要項には学力には特化しない「土曜活動」も例示されているのではないか、との指摘を行いましたが、教育長は子どもたちには、生きるための回路を見つけるため学力は身につけさせたいので、この体制を続けたいと言明しました。

 2つ目のテーマは「学力調査の公表」です。その効果を「教育への関心が高まり、連携と協働のきっかけとなる、点数だけではなく、学習・生活の状況を知らせており、学校と家庭の連携が深まる」としています。その結果は学校が「学校だより」を通じて、市教委は11月にセミナーを開催して説明している、とのことでした。参加者から、「過去問」実施への疑義や公表が「過度の競争」につながらないか、との問いに、「情報は公開すべきだ、井の中の蛙になってはいけない、過去問もどのような能力が求められているか、先生自らもやってみるべきだ」とし、また、質問に応えて「個人が特定できるような公表はしていない」とのことでした。

他に、輪島市がH24(2012)から始めている「テレビ寺子屋」事業、ケーブルテレビを活用した教育番組の紹介もありました。市内の教員が制作しており、工夫された内容がうかがえましたが、契約家庭が多くないこともあり、視聴率が上がらないことが課題であり、DVD化して活用を促しているとのことでした。懇談全般を通じて、事業の背景には能登地区が抱えている過疎化と子どもたちの人数減という事態にどう対応すべきか腐心されており、その中で吉岡教育長のリーダーシップが前面に出された教育施策との印象を強く持ちました。なお、懇談後は教育委員会が所管する施設として、県立輪島漆芸美術館を案内いただきました。輪島塗の歴史、制作工程、貴重な所蔵品の説明、そして市内子どもたちへの体験学習事業など、学芸員さんに丁寧に説明をいただきました。

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