小学校道徳教科書、何が問題なのか

 教育総研の第2回研究部会が8月後半に集中して開催されました。
 23日「教育政策研究部会」、協議課題はまず、小学校道徳教科書。事務局員が参加した展示会の感想を出し合う中で、今回話題になった「教育出版」の5年生教科書に掲載された安倍首相の写真、政治的な意図がうかがえるとの指摘がありました。また、「国旗と国歌」や「れいぎ・マナー」でも、とても「笑えない」内容で扱われており、推薦できない教科書との意見が出されました。注目されたものは「光村図書」5年・6年で取り上げられている子どもの権利条約や世界人権宣言です。いずれにしても8月中に県内9の採択区で、教育委員会が採択決定を行うこととなっており、金沢市が日本文教出版という報道がありましたが、他市町は現在集約中です。次は全国学力調査の課題、現状では昨年4月の文科省通知で指摘された過去問等の行き過ぎた事前学習は、一向に改善されていない状況が明らかになっています。教育政策部会では、今年も12月県の一斉「予備テスト=県評価問題」実施の前に「声明」を発表することとしています。

 28日「環境教育研究部会」。まずは8月17日に実施した公開研究講座の総括。好天に恵まれたフィールドワークを含め、参加者からも有意義との感想が多く寄せられていますが、予定を下回る参加者となり、夏季休業中とは言え、平日開催も検討の余地があるとの意見が出されました。後半は志賀原発に近接する学校から防災計画を取り寄せ、地震と原発防災を中心に検討を行いました。特に原発防災については、どのような事態を想定しているのか明確でないとの指摘、保護者への引き渡しについても、「引き渡せない」状況になることが想定されていない、との指摘もありました。多忙を極める学校で、どのように防災学習ができるのか今後の継続課題です。

  31日は「平和教育部会」、8.6、8.9を中心とした平和教育実践については、後日の集約を待つこととして、部会が昨年からとり組んでいる、育鵬社歴史教科書の検討を行いました。話題提供は社会科教師で研究員の島田一郎さん。実際に教科書を扱ってみると、「為政者(天皇など)が中心となった記述」「頑張って偉くなった人が歴史を動かしてきた、という記述」「文化に力を入れているが、外国との関係が不明確」「過去の日本をひたすら肯定的にとらえている」などの指摘を受け、具体的な教科書記述を確認しました。これからもこの教科書を使うことで子どもたちに何を伝えるのか、現場にとって深刻な課題になります。

 

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