小松の街は梯川が作った

 

     8月17日、環境教育部会主催のフィールドワーク(FW)と公開研究講座が小松市を会場に開催されました。この夏は連日の猛暑日が続いていましたが、この日は一転して涼しさを感ずる日となり、午前中のFWは青木賢人部会長の案内で28名が参加しました。まずは小松の市街地形成に深く関わる梯川の河川改修事業の現場である小松天満宮へ。現地には国交省からも説明に来ていただきました。梯川は勾配が少なく、この付近は河川幅が狭くなっており、たびたび洪水の被害に見舞われてきたところです。昨年完成した事業は河川に隣接するこの国指定文化財を移転させることなく、輪中の形で分水路を作ったことに特徴があります。文化財の保全か事業優先かの選択をしたことになります。青木部会長曰く、高度成長期ならこの選択はしなかっただろうとのことです。     
    小松市街地は旧小松城を中心に形成されています。かつて梯川はこの付近から90度進路を変えており、その2辺を活用、海に浮かぶ島のように水路を整備した「水城」となっていました。FWでは広大だった敷地とかつての堀跡が今は住宅地となっている一帯を歩き、殿町、古城町、丸内町、浮城町、芦田町など町名や葭島神社、芦城公園の名からも当時の環境が想像できるようでした。

 

 

    午後は小松市文化会館に会場を移し、公開講座を開催、小松支部を中心とした組合員に教育総研関係者を加え、50名が参加しました。まずは昨年度の全国教研に参加した、河北支部・村上直哉さんから「残食0へのこだわり~食を通して健全育成をめざす~」とのテーマで報告を頂きました。村上さんは、子どもたちの食生活の乱れや健康問題が深刻化する中で学校給食や食育の果たす役割の大きさを痛感してきた。その中で教職員の理解と協力を得て、全校的に食べることの意義を伝え、配膳まで工夫して、結果的に残食0を実現しているとのことでした。
 
   青木賢人部会長からは午前中のFWを受ける形で、「小松の街ってこんなところ~小松の環境と防災を考える~」とのテーマで講演を頂きました。冒頭で大川小の控訴審判決を取り上げ、学校には独自に学校・校区の地理的環境を独自に調査・分析する責任が求められ、行政のハザードマップを上回る危険性も認知すべきとされている。この7月の西日本豪雨、倉敷市真備町が大きな被害を受けたが、想定されたハザードマップの範囲内だった。しかし、被害の拡大は地理的環境の理解の周知が進んでいなかったからと言われる。小松市もよく似た地形でハザードマップにはほぼ市街地全域に洪水被害想定が示されている。旧小松城を中心とした当時の町並みは浸水想定地域を避けて微高地の砂丘に形成されていた。現在はかつての低湿地であり、水田として利用されていた所が住宅地として開発されている。潜在的に水害リスクが高いことを理解することが必要である。子どもたちにも地域の環境理解を通した防災対策・災害対応が必要とまとめられました。

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