「能登半島地震後の防災教育~脅しの防災教育を越えて」

8月10日のフィールドワークでは、奥能登地区の被災地を回りました。輪島市街地の倒壊したビルや火災の朝市のようすを車窓から見た後、輪島中学校に向かいました。体育館は避難所として校舎は小学生も共同で使用しています。敷地中央の校舎は無事でしたが盛り土をしたグランドや駐車場は大きくひび割れ崩れていました。千枚田の平らな地形は、急な斜面が地すべりにより山が崩れてできたものであり、奥には今回の地震での地すべりで道路が寸断されている様子が見られる。自然災害は生活環境を破壊するが、同時に農地や集落など生活の場をつくる恵みにもなっている。内浦側に移動して、能登町の白丸地区の津波や松波小学校の被災のようすを車窓から見た。
8月27日は青木部会長がまとめを行った。能登半島地震は活断層によるものとしては濃尾地震を超える過去最大規模であった。4つのセグメントが順に連動したことにより1分におよぶ長いゆれであったため、山くずれや液状化などの被害が大きくなった。輪島市など外浦側の海岸は隆起したため津波の被害は免れたが、塩田や漁港などは使えなくなった。隆起による海岸段丘の地形が形成された。防災教育と環境教育では、命を守るために自然は怖いという「脅し」と自然の豊かさが「好き」でそこに居るための技術を高めることが求められる。柔らかい避難訓練として、こども園のお散歩は違う場所に移動する練習とも考えられる。

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