学校図書館での司書の活動と課題

石川県の小中学校には、学校図書館司書が配置されている。複数校兼務の司書もいるが、2014年にすべての小中学校に配置された。学校図書館は、学校の教育課程の展開に寄与するための設備であるが、司書はその目的のために専門性を持って活動する。
教育政策研究部会が8月26日に行った学習会では、小松市の中学校と野々市市の小学校の司書の方から、司書の活動と課題についてお話を伺い、意見交換を行った。学習会の参加者は、読書センター・学習センターとしての役割を持つ学校図書館で、司書が貸出・返却、選書・蔵書の更新、本の展示や紹介などの活動だけでなく、調べ学習のための図書の準備をしたり、図書資料以外のメディアの特徴や選択の仕方を児童生徒に伝えたりするなど、多岐にわたる活動をしていることを学んだ。その一方、図書とICTとの併用が求められる中、司書に学習用端末が支給されていない学校があること、司書教諭を含む教職員との連携が十分でないことなどの課題があることも学んだ。また、司書の勤務労働条件にも様々な課題がある。司書の9割は会計年度任用職員(非正規公務員)で、任用期間が不安定で、賃金の改善はあっても退職手当がなく、休暇制度も十分でない。司書は高い専門性を持って日々活動しているのに、それに見合う待遇になっていない。そのため、今後の勤務や生活への不安、仕事への意欲の低下に悩むことが多い。学校図書館は、児童生徒の豊かな心を育み、学習を支援し、教養を育成する大切な設備である。その大切な図書館で活動する司書の役割は大きい。司書が安心して、生き生きと働けるように待遇を改善し、環境を整備することが必要である。学習会では、参加者からお二人の司書に様々な質問があり、その質問に対する回答から現状について深く考え、認識を新たにすることができた。今後さらに多くの人が司書の活動について知り、その課題の解決に向けてともに考えていくことが求められる。
レポート「学校図書館での司書の活動と課題」

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