教育政策

今年も石川県は全国学力調査で上位県となりました。先日、好成績のうらには事前対策として過去の問題練習がされており学校では子どもたちや先生の負担となっていることがニュースや番組で放送されました。先生からの疑問の声も取り上げられていました。県の順位が出ることは市町や学校ごとの結果にも及んでおり上げることに躍起にならざるを得ません。4月に実施される調査の対策は新年度が始まったばかりの子どもたちに影響が大きくのしかかっています。馳県知事は文科相当時に教員からの訴えに対して、事前対策の問題性を指摘していたことから、石川県の対応に期待していましたが今年も来月6・7日に県の問題が実施されることから、石川県教育委員会に対し中止の申し入れを行いました。

「全国学力・学習状況調査」「県評価問題」の廃止を求める声明 ⇐ 抗議文の内容はクリックしてください

11月20日2022教育改革キャンペーン「公正な教科書採択を求める市民集会」
歴史好き彼は金沢市の中学校で使っていた教科書に違和感を覚えたとのことでした。江華島事件のように相手の国を悪く見せるような書き方や戦争での日本の加害と被害の扱いの差に疑問を持ったそうです。沖縄戦については多くの不満があり、こんな教科書は使いたくないと思ったことを友だちや先生にも話してみんなも同意していました。また、授業で育鵬社の教科書を使って教えている中学校の社会科の先生からは、他社の教科書と比べたときの記述の違いを指摘されました。資料などで補っているとのことでした。
今回は使用していた生徒の声を聞けたことは貴重でした。彼のように事前の知識がなければ、そのまま受け入れてしまうのかという怖さも感じました。

一昨年から改革の1つとして「チーム担任制」を実施した南砺市教育委員会の視察を行った。南砺市は16年前に4町4村が合併、9小学校と8中学校があるが大規模校がなく1学年3学級までである。小学校の単級の学校では2学年合同で、複数学級は学年全体で技能教科等を行っている。中学校の複数学級では学年教員がチームとして学年主任や副担任も加わり曜日ごとに交代で朝や帰りの会、給食時間の指導を行っている。複数の先生で指導することにより、子どもたちには多くの先生と触れ合うことや個別に指導してもらえる機会が増えている。先生どうし相談できる関係ができ日常的なOJTにより教育の質が高められている。中学校では、朝の会と1限目の授業がない先生は時差出勤が可能になり部活動での超勤を補うことができる。
南砺つばき学舎は、昨年旧井口小・中学校が小中一貫の義務教育学校として開校した。特色ある活動としては、「外国語教育の充実」9年間で他校に比べ400時間程度増え9年生はコロナにより昨年度はブリティッシュヒルズで語学研修を行いました。「自学の時間」は1~9年生が一体で主体的に活動します。「豊かな日常の実現」夏休みを20日程度にすることで6限を廃止、1日の在校時間を8時間として部活動も16時35分に終了しています。

政府の教育未来創造会議は大学生を援助する高等教育の修学支援制度について、従来の学生に加え中間層の理工系学生や多子世帯への対象を拡大する提言をまとめた。

大学に進学する高校生の半数近くが奨学金などの制度を利用しているが、現行の給付型奨学金の資格に該当する生徒は各高校に数名しかいない状況であり、卒業後の返済の負担が問題となっている。

総研では石川県内の自治体に調査を行っており、19のうち14自治体が独自の奨学金制度を持っている。そのうち3市3町は大学進学への制度があり加賀市は給付型も設けている。金沢市は新たに返還支援の企業に対する助成制度を予算化した。「子どもの学びの保障」について就学援助制度の受給状況なども経年比較を行っている。(詳細や他の内容については次をクリック)

石川県地方自治体における教育予算等調査結果

1月15日(土)石川県教育会館を中心に小松・加賀の3会場を結ぶオンライン集会を行いました。今年度から中学生は改訂後の新しい教科書を使用しています。育鵬社の歴史教科書は先生からの評価が低く全国では21から6地区に激減し1%の採択になりました。石川県では金沢・小松・加賀市が調査結果を覆し採択しました。集会では使っている先生の声を聞きました。小松市からは「他社の歴史教科書では、世界の文明や宗教から始まった後に日本の歴史を平安時代まで学ぶことになっている。育鵬社ではまず日本の縄文時代までを取り上げてから並列して世界史を学ぶが年代が前後しページ数も多いため定期テストでは苦労する。人物や用語の羅列が多く多面的・多角的に考察できる資料が少なく論議が深まらない。」加賀市からは複数の発言があり、支援学級の先生からは「公民の教科書にはワークがなく、他社のものを使っているが育鵬社の教科書では子どもたちは学びづらく、教科書もワークと同じものが必要となった。」金沢やオンライン参加者からの意見も多く出され、育鵬社の教科書での学びづらさがわかり、次回の採択では全国的に広がっている会議の公開を求め採択での過程や発言が明らかになるように取り組んでいきます。

 

 

教育政策部会を中心に能登町に行ってきました。教育長から現状や重点施策などの説明を受けました。2005年に能都・内浦・柳田3町村が合併して能登町となりました。学校は統廃合が行われ、今は小学校5校に467人、中学校4校に282人が学んでいます。特記すべき施策として「海洋教育の推進」があり、小木小では特例校として「里海科」の新設が認定され、「海に親しむ、知る、守る、利用する」内容の授業が5・6年生で行われています。地域にある複数の専門機関や施設と連携して活動しており、他校でも総合で5時間以上取り組んでいます。

訪問のきっかけとなったのは、能登高校への県外からの留学生の新聞記事でした。町にある高校存続のための「能登高校魅力化プロジェクト」について、能登町ふるさと振興課地域戦略推進室から説明を聞きました。高校と町が連携、地域貢献を図っており、「能登高校を応援する会」では高校生に給付型奨学金など7つの補助メニューが設けられています。「地域産業学」や「鳳雛ゼミ」では地域連携プロジェクトや地域課題への取り組みを行っています。「まちなか鳳雛塾」は、旧公民館を改装して部活後の高校生から地元の小学生までが学べる場となっています。

その後、海洋教育とも連携する金沢大学の能登海洋水産センターを見学しました。旧ホテル跡地に能登町が建設し大学に無償で貸しており、魚類養殖の研究を行って町を学生と水産で活性化したいとしています。サクラマスやトラフグの薬を使わない養殖技術の開発に取り組んでいました。

「子どもの学びの保障」施策、「学校図書館図書費」

2020年4月文部科学省『高等教育の修学支援新制度』

「奨学金制度」19のうち14市町(9が給付型)

「就学援助」小学生の11.9%、中学生の13.8%が受給

「不登校」児童生徒への施策と教育機会確保等の措置

学校図書館図書費が交付税基準額に達成しているのは珠洲市と川北町のみ

学校司書はすべての市町で配備、複数校兼務や非正規での雇用

くわしくはこちらをクリック自治体調査結果

「野々市市の官民連携の取り組み」について大久保邦彦教育長より説明を受けた。まちづくりの課題として、これまでの人口の増加から今後は減少に転じるとともに老年人口は増加を続けるという推計が出ている。また、地域の活性化が低下、有効活用が必要な広大な未利用地、施設の老朽化などの問題があり、『点』を『線』へ『面』へと、官民連携としてBTO方式サービス購入型、運営にも民間を活用して、野々市小学校、小学校給食センター、文化交流拠点施設を整備した。

その後「学びの杜ののいちカレード」の視察を行った。学びの中心としての開架スペースを囲むようにキッチン、音楽、創作スタジオがあり市民のさまざまな活動の場として利用されている。児童図書スペースには、当地出身の米林宏昌監督のイラストに包まれるパオがあり「おはなし会」が実施されている。2017年11月の開館以来、夜10時までたくさんの市民が訪れており昨年10月来館者100万人を達成した。近隣自治体からの利用者も多い。

12月1日 石川県教育委員会に抗議の声明

今月、中学校2年生と小学校5年生が県評価問題(テスト)を行う。今年は新型コロナウイルスの影響から4月に予定していた全国学力学習調査は実施を見送られた。冬休みや土曜授業など例年とは違う状況での実施は子どもたちへの負担が大きい。このような中での来年の全国学力テストの練習のための問題演習はすべきではない。成績上位県の維持のためとしか考えられず、このための事前指導など苦手な子どもたちは学習への嫌悪感は増すばかりである。テストの結果が先行し、その対策のために疲弊している子どもたちや先生たちにとっては、今がやめるチャンスでもある。

抗議文(左クリック)

11月21日(土) 今年はコロナ禍の中で、県内各地を結ぶオンライン集会の形で開催した。来年から使用される中学生の教科書採択の年にあたり育鵬社の歴史や公民の教科書を採択した加賀市、小松市、金沢市から経緯などについて報告を受けた。いずれも調査委員や学校の先生などの評価が低かったにもかかわらず、最終の教育委員会議で決定された。

今年は全国でこれまで使用していた地区での不採択がふえており、育鵬社の歴史は1%程度の状況となることからデジタル教科書など利用環境の充実は難しくなる。大阪からの報告もあり、市民の傍聴への要望が認められたりYouTubeで中継されたことから、公正な採択が行われた。石川県でも開かれた採択をめざして、会議の公開を求める取り組みの継続が大切となる。

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