若いあなたへのメッセージ

いしかわ教育総研では、今年度の活動を終了するにあたり、所長・部会長のみなさんに総括やメッセージをいただきました。まずは田村光彰所長です。「教組いしかわ」2月25日号に掲載されていますので参照下さい。また、3つの研究部会長のメッセージは研究部会サイトにそれぞれ掲載します。

学校を死なせないために
いしかわ教育総研所長 田村光彰
P13302222012年、非正規労働者は初めて2千万人を超え、雇用者全体に占める割合は38.2%と、過去最高を更新しました。他方、正規労働者は、減少し、低賃金・長時間労働で使い捨てられ、違法解雇にもかかわらず、「自己都合」で退職に追い込まれています。「ブラック企業」は、また賃金不払いやパワハラで社員を酷使しています。「企業による殺人」とも言える過労死も増大の一途をたどる、これが安倍政権が掲げる「世界で一番企業が活動しやすい国」の実態です。大企業のみに利益をもたらす新自由主義の下で、教職員への管理統制、無駄な仕事と多忙化で、教職員の誇り、専門家としての尊厳が奪われています。
「学校を死なせないために」という対談が東京都立三鷹高校元校長・土肥信雄さんと教育評論家・尾木直樹さんとの間で行われています(『世界』2012.3)。教育を再生させる希望は、子どもに原点を置くことであると言っています。尾木氏は、「大人の発想で上から統制するのではなく、子どもたちの優れた力を信じ」「子どもたちが参加して、自ら学校づくりや学校運営」に関わる好例を、阪神・淡路大震災で授業を再開させた教職員と子どもの相互信頼に見ています。「ある部分を子どもたちに任せ」ると、それまで不登校だった子どもが、学校に来るようになったり、驚くようなことが色々起きた」といいます。土肥さんも「教育の主体は子どもですから、子どもから出発する以外にない」と応じています。疑い深い私などは一瞬ためらうのですが、土肥さんは続けて「子どもを主体として考えて、そのために一生懸命に教育を行っていれば、何も怖いものなどないのです」とまで言い切っています。都教委を相手に学校現場に言論の自由を取り戻す戦いを続けている土肥さんの信念に圧倒されます。
子どもを主体性のある権利の保持者と位置づける「子どもの権利条約」は、国境を越えて、教職員の心に勇気を灯す力となるのかも知れません。

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